セッション情報 | 口演大腸 他1 |
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タイトル | O-304:多症例の大腸側方発育型腫瘍(LST)を対象にしたLINE-1メチル化レベルと遺伝子異常の検討 |
演者 | 内藤 崇史(札幌医科大学内科学第一講座) |
共同演者 | 能正 勝彦(札幌医科大学内科学第一講座), 五十嵐 央祥(札幌医科大学内科学第一講座), 伊藤 美樹(札幌医科大学内科学第一講座), 須河 恭敬(札幌医科大学内科学第一講座), 三橋 慧(札幌医科大学内科学第一講座), 松永 康孝(札幌医科大学内科学第一講座), 三上 雅史(札幌医科大学内科学第一講座), 高橋 大賀(札幌医科大学内科学第一講座), 吉井 新二(恵佑会札幌病院), 高橋 宏明(恵佑会札幌病院), 細川 正夫(恵佑会札幌病院), 鈴木 拓(札幌医科大学分子生物学講座), 山本 英一郎(札幌医科大学内科学第一講座), 足立 靖(札幌医科大学内科学第一講座), 山本 博幸(札幌医科大学内科学第一講座), 篠村 恭久(札幌医科大学内科学第一講座) |
抄録 | 【目的】レトロトランスポゾンであるlong interspersed element 1(LINE-1)はヒトゲノムの約17%を占め,ゲノムワイドDNAメチル化の指標として重要である.そのメチル化レベルが低下しておこるLINE-1の活性化は,染色体不安定性や変異等を引き起こし,様々な癌の進展に重要な役割を果たす.近年,我々はそのメチル化レベルが高度に低下した大腸癌は不良な予後と相関することを報告したが,大腸側方発育型腫瘍(以下LST)におけるLINE-1メチル化レベルは明らかにされていない.今回,我々は高感度パイロシークエンサーを用いて多症例のLSTにおけるLINE-1メチル化レベルや遺伝子異常を解析する.【方法】対象は早期大腸腫瘍502例.それらを肉眼形態別にLST-G,LST-NG,隆起型,平坦型,陥凹型に分類.パイロシークエンスでLINE-1メチル化レベル,KRAS,BRAF,PIK3CA変異を解析した.【成績】LINE-1メチル化レベルの平均値はそれぞれLST-G(54.9±4.8%),LST-NG(54.8±6.5%),隆起型(56.6±5.0%),平坦型(56.7±3.9%),陥凹型(60.1±5.8%)であり,LST-G,LST-NGで有意に低下していた.またLINE-1メチル化レベルが高度に低下している症例はLST-G(10.0%),LST-NG(12.1%),隆起型(5.7%),平坦型(0%),陥凹型(3.7%)でありLSTで有意に多かった.臨床病理学的因子,KRAS,BRAF,PIK3CA変異を変数として加えた多変量解析においてもLSTとLINE-1メチル化レベルの低下は有意な相関が認められた.【結論】側方発育型腫瘍(LST)は他の肉眼形態と比べ,有意にLINE-1メチル化レベルが低下していることが明らかになった.よってLINE-1メチル化レベルが高度に低下している大腸癌はLSTから発育進展する症例が多い可能性が示唆された. |
索引用語 |