セッション情報 |
口演
総胆管結石
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タイトル |
O-312:内視鏡的排石が困難なハイリスク高齢者の総胆管結石症に対する内視鏡的胆管ステント留置術(ERBD)の検討
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演者 |
舟木 準(康生会武田病院消化器センターDELIMITERたけだ診療所) |
共同演者 |
真鍋 繁雄(康生会武田病院消化器センター), 廣瀬 亮平(康生会武田病院消化器センター), 山口 琢(康生会武田病院消化器センター), 中部 奈美(康生会武田病院消化器センター), 朴 義男(医療法人ふじた医院), 高橋 周史(康生会武田病院消化器センター) |
抄録 |
【目的】総胆管結石症の治療は結石除去術が原則であるが,高齢者は様々な基礎疾患・合併症を有している事が多く,その総胆管結石症は短時間で低侵襲に治療を行う必要があり,完全に結石除去を成し得ることが困難な症例が少なくない.当院における,そういったハイリスク高齢者の総胆管結石に対して姑息的に内視鏡的ステント留置術(ERBD)のみを行い経過観察している症例について検討を行った.【対象と方法】当院で過去3年間に経験した総胆管結石症例のうち,ERBD(7Fr,5cm又は7cm,ストレート)のみを施行した23症例(平均年齢88.5歳:70-99歳)について検討した.【成績】91%の症例が閉塞性胆管炎の発症を契機に受診していた.全例において基礎疾患や合併症を認め,22%の症例で抗血小板・抗凝固剤が投与されており,43%の症例で傍乳頭憩室を認めた.現在ステント留置にて経過観察中の症例も含めると,ステントの有効期間は33.6週(4-126週)となった.術後膵炎などの合併症は1例も認めなかった.閉塞や脱落などのステントトラブルにより43%の症例で胆管炎が再発し,その際の交換までの平均期間は,29.2週(4-126)であり,症例あたりのステント交換回数の平均値は1.7回(1-6回)であった.処置後の入院期間の平均値は18日(5-134)であった.【結論】閉塞性胆管炎を伴う総胆管結石に対する姑息的ERBDは比較的安全かつ早期退院が可能な治療法と考えられる.また,閉塞性胆管炎の再発時は1例のみ結石除去が可能であったが,その他の症例も全例ERBDで再治療可能であった.以上より,ハイリスク高齢者に対するERBDは長期的な姑息的治療として有用であると考えられる. |
索引用語 |
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