セッション情報 |
口演
総胆管結石
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タイトル |
O-314:80歳以上の高齢者の総胆管結石症例における内視鏡治療の検討
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演者 |
大塚 雄一郎(福岡大学筑紫病院消化器内科) |
共同演者 |
植木 敏晴(福岡大学筑紫病院消化器内科), 松井 敏幸(福岡大学筑紫病院消化器内科) |
抄録 |
【目的】社会の高齢化に伴い,基礎疾患を有する高齢者に対し内視鏡治療を行う機会が増加している.そこで高齢者の総胆管結石に対する内視鏡治療を検討する.【対象と方法】2008年1月~2011年12月までに当科で経験した初回の総胆管結石症例のうち,急性胆管炎を合併しESTを施行した234例(男性127例,女性107例,年齢66±14歳)を対象とした.なお,抗血栓薬服用症例はEPBDあるいはPTBDを施行した.検討項目は1.高齢者群(80歳以上)と非高齢者群(80歳未満)の,1.臨床的背景(性別,結石径,結石数,胆管径,胆管炎重症度と内視鏡処置(ESTの切開の程度,緊急ESTと待機EST,緊急処置と待機処置,施行時間,処置回数),2.EST後合併症,3.截石終了までの期間である.【成績】1.高齢者群は非高齢者群に比し,臨床的背景で女性が多く(p<0.01),結石径が大きく(12mm vs 8mm,p=0.012),処置回数が多かった(2.2回vs 2.1回,p=0.018).結石数,胆管径,胆管炎重症度,ESTの切開の程度,緊急ESTと待機EST,緊急処置と待機処置,施行時間には有意差はなかった.2.EST後合併症は,膵炎(8% vs 7%),出血(7% vs 3%)で両群に有意差はなかった.十二指腸乳頭穿孔例はなかった.3.截石終了までの期間は,高齢者群(13±9日)は,非高齢者群(10±7日)より長かった(p=0.03).【まとめ】総胆管結石症において高齢者は非高齢者に比し,結石径が大きく,処置回数が多く,截石終了までの期間が長かったが,合併症に関しては差がなかった.高齢者は非高齢者と同様に安全に内視鏡治療を行うことが可能であった. |
索引用語 |
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