セッション情報 | 口演胆道 感染症 |
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タイトル | O-316:急性胆管炎における細菌培養検査の検討 |
演者 | 中井 喜貴(京都桂病院消化器センター消化器内科) |
共同演者 | 國立 裕之(京都桂病院消化器センター消化器内科), 日下 利広(京都桂病院消化器センター消化器内科), 畦地 英全(京都桂病院消化器センター消化器内科), 藤井 茂彦(京都桂病院消化器センター消化器内科), 臼井 智彦(京都桂病院消化器センター消化器内科), 田中 泰敬(京都桂病院消化器センター消化器内科), 山口 大介(京都桂病院消化器センター消化器内科), 越川 頼光(京都桂病院消化器センター消化器内科), 後藤 規弘(京都桂病院消化器センター消化器内科), 田中 秀行(京都桂病院消化器センター消化器内科), 糸川 芳男(京都桂病院消化器センター消化器内科), 冨田 友実(京都桂病院消化器センター消化器内科), 大岩 容子(京都桂病院消化器センター消化器内科), 平田 大善(京都桂病院消化器センター消化器内科) |
抄録 | <背景>急性胆管炎における細菌学的診断は,起炎菌の特定だけでなく,治療方針の決定に重要な役割を果たし,急性胆管炎・急性胆嚢炎診療ガイドラインでも血液・胆汁培養検査の実施を推奨している.<目的>急性胆管炎における起炎菌の特徴と重症度別の特徴を検討し,培養検査の重要性を評価する.<対象>2011年1月~2012年8月までに当センターで経験した急性胆管炎のうち,胆汁と血液の細菌培養検査を両方実施した76例(M:F=49:27,年齢中央値79.5歳)を対象とした.このうち総胆管結石を含めた良性疾患の胆管炎61例,悪性疾患に伴う胆管炎は15例であった.<方法>ガイドラインに基づいて診断・重症度判定を行い,抗菌薬投与前に血液培養を,ドレナージ施行時に胆管内の胆汁を吸引し胆汁培養を行った.培養結果をもとに1.両検査の細菌陽性率,2.検出菌の検討,3.重症度別の細菌陽性率,検出菌の特徴に関し検討した.<結果>1.細菌陽性率は血液培養39.5%(30例)に対し,胆汁培養75.0%(57例)と高率(P<0.001)であった.2.検出菌は血液培養ではE.coli21.1%,Klebsiella10.5%,Enterococcus6.6%,Pseudomonas5.3%の順に多く,胆汁培養ではEnterococcus40.8%,E.coli32.9%,Klebsiella28.9%,Streptoccocus9.2%の順であった.血液培養・胆汁培養ともに陽性の26例では検出菌の菌種が96.2%(25例)で一致していた.3.重症度は軽症:中等症:重症=10:55:11の割合で,血液培養の陽性率はそれぞれ0%,40%,72.7%,胆汁培養は70%,70.9%,100%であった.血液培養の混合感染は重症87.5%,中等症18.2%(P<0.001)と重症で高率であった.<考察>胆汁培養検査は起炎菌を高率に同定でき,菌種・感受性に応じよりスペクトルの狭い抗菌薬への変更を検討する必要がある.<結論>細菌培養検査は急性胆管炎の治療方針決定に有用であると考えられる. |
索引用語 |