セッション情報 | 口演胆道 感染症 |
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タイトル | O-318:急性胆管炎重症度判定と胆道ドレナージ予後予測におけるプロカルシトニン測定の有用性 |
演者 | 濱野 耕靖(青梅市立総合病院消化器内科) |
共同演者 | 松本 有加(青梅市立総合病院消化器内科), 渡部 太郎(青梅市立総合病院消化器内科), 細谷 明徳(青梅市立総合病院消化器内科), 沼田 真理子(青梅市立総合病院消化器内科), 吉岡 篤史(青梅市立総合病院消化器内科), 伊藤 ゆみ(青梅市立総合病院消化器内科), 野口 修(青梅市立総合病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】国内急性胆管炎ガイドライン(GL)では重症度判定中等症以上では速やかな胆道ドレナージが推奨されている.近年感染症のマーカーおよび敗血症重症度の指標としてプロカルシトニン(PCT)が注目されており(Lancet 1993),PCT測定が胆管炎の重症度判定と胆道ドレナージの有効性予測に有用か検討する. 【方法】急性胆管炎で入院となった症例のうち中等症以上と診断された141例を対象とした.内視鏡的胆道ドレナージ前と翌日に血清PCTを測定して,重症度と予後予測との関連を検討した.重症度判定は国内GLを用いた. 【成績】対象は男性84例,女性57例であった.急性胆管炎重症度分類では中等症が119例であり,重症が22例であった.胆道ドレナージ前のPCTの中央値はそれぞれ0.32(0.04-34.83),5.185(0.17-102.74)であり,有意に重症例で高値(p<0.0001)であった.ドレナージ翌日のPCT値はそれぞれ0.52(0.03-61.76),11.335(0.13-64.72)であり,同様に重症例で高値(p<0.0001)であった.ドレナージ日からの抗生剤投与必要期間は中等症で中央値7日間,重症で9日間を要した.重症敗血症のリスクが高いとされるカットオフ値2.0ng/mlでみると,ドレナージ前2ng/ml以上群は41例,抗生剤投与日数9日,2ng/ml未満群は100例,抗生剤投与日数7日であり,有意に2ng/ml以上群で抗生剤投与日数が長かった(p=0.0011).またドレナージ前後のPCT値比較では,上昇例68例,低下例73例であった.抗生剤投与日数は中央値で上昇例7日,低下例7日であり有意差を認めなかった(p=0.8). 【結論】血清PCTは急性胆管炎の重症度判定において有用なマーカーであると示唆され,PCT高値の症例は速やかな胆道ドレナージを選択すべき根拠の一つになると思われる.しかしドレナージ前後のPCT値測定で経過予後を予測することは困難であった. |
索引用語 |