セッション情報 口演

胆道 感染症

タイトル O-319:

高齢者での胆道感染に起因する播種性血管内凝固症候群(DIC)に対するトロンボモデュリンアルファ(rTM)の使用成績

演者 古賀 英彬(大阪府済生会中津病院消化器内科)
共同演者 江口 考明(大阪府済生会中津病院消化器内科), 福知 工(大阪府済生会中津病院消化器内科), 岩坪 太郎(大阪府済生会中津病院消化器内科), 黒澤 学(大阪府済生会中津病院消化器内科), 小池 英明(大阪府済生会中津病院消化器内科), 横田 甚(大阪府済生会中津病院消化器内科), 長谷 善明(大阪府済生会中津病院消化器内科), 安冨 栄一郎(大阪府済生会中津病院消化器内科), 上田 綾(大阪府済生会中津病院消化器内科), 川口 真平(大阪府済生会中津病院消化器内科), 生方 聡史(大阪府済生会中津病院消化器内科), 仙田 花実(大阪府済生会中津病院消化器内科), 大橋 理奈(大阪府済生会中津病院消化器内科), 田中 敏雄(大阪府済生会中津病院消化器内科), 山下 博司(大阪府済生会中津病院消化器内科), 伊藤 大(大阪府済生会中津病院消化器内科), 蘆田 潔(大阪府済生会中津病院消化器内科)
抄録 【目的】胆道感染に起因するDICは高齢者では致命的であり重篤な疾患である.しかしrTMのDICへの有効性が示唆される報告が散見され,高齢者での治療効果が期待される.今回,高齢者での胆道感染に起因するDICに対するrTMの治療効果を検討する.【対象】2010年6月から2012年7月までの間に,当院でrTMを投与し加療した胆道感染に起因するDIC症例26例(平均年齢79.5歳)のうち,80歳以上を高齢者群12例(平均年齢85.6歳,男女比4:8),80歳未満を非高齢者群14例(平均年齢74.2歳,男女比8:6)として比較検討を行った.【検討項目】SOFA score,急性期DIC score,CRPのDIC診断時の値,投与7日後の値をMann-Whitney検定で比較した.【結果】DIC診断時の値で高齢者群/非高齢者群(中央値)で比較するとSOFA score(5.5/4),急性期DIC score(4/4),CRP値(13.1/17.6)で有意差はなかった.両群にrTMを投与し7日目で検討したところ,高齢者群においてDIC診断時/投与後7日目でSOFA scoreとCRPを比較すると,SOFA score(5.5/3.5),CRP値(13.1/2.5)で有意に改善(Shirley-Williams法:p<0.05)を認めた.さらに高齢者群/非高齢者群で,投与7日目のSOFA score,急性期DIC score,CRP値を検討すると,SOFA score(3.5/1.5),急性期DIC score(4/2),CRP値で(2.5/3.6)で両群間に有意差は認めなかった.また,両群とも出血等の重篤な有害事象は認めなかった.【結論】胆道感染に起因するDICに関して,高齢者群でのrTMを用いた治療成績は,SOFA score,CRPで有意に改善を認めた.また非高齢者と同等の重篤度であったにもかかわらず治療7日目の成績は同等の結果が得られた.重篤な有害事象の発現もないため,rTMは高齢者にも有効な治療薬である可能性が示唆された.
索引用語