セッション情報 | 口演胆道 感染症 |
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タイトル | O-320:高齢者の再発性胆嚢炎に対する内視鏡的経乳頭的胆嚢内ステント留置術の有用性 |
演者 | 鎌田 英紀(香川大学消化器・神経内科) |
共同演者 | 内田 尚仁(滝宮総合病院・内科), 正木 勉(香川大学消化器・神経内科), 小野 昌弘(香川大学消化器・神経内科), 有友 雄一(香川大学消化器・神経内科), 加藤 清仁(香川大学消化器・神経内科), 藤森 崇行(香川大学消化器・神経内科), 野村 圭(香川大学消化器・神経内科), 筒井 邦彦(香川大学消化器・神経内科) |
抄録 | 【目的】急性胆嚢炎の治療の基本は早期の胆嚢摘出であるが,高齢者では基礎疾患や耐術能の問題のため,内科的な治療が選択されることも多い.さらには,高齢者において急性胆嚢炎を再発する症例もしばしば経験する.我々は,後期高齢者の再発性胆嚢炎に対して,再発予防を目的とした内視鏡的経乳頭的胆嚢内ステント留置術を施行しており,その有用性について検討した.【対象】2006年4月から2012年9月までに,後期高齢者の再発性胆嚢炎症例に対して内視鏡的経乳頭的胆嚢内ステント留置術を施行した18例(男性:9例・女性:8例)・平均年齢:83.5歳(60~93歳)である.【方法】胆管深部挿入後,ラジフォーカスガイドワイヤーで胆嚢管を探り,胆嚢内に十分にガイドワイヤーを留置した後,造影カテーテルを胆嚢内まで挿入し,腰の固いガイドワイヤーに交換後,ステントを留置した.【結果】1.患者背景:全例で基礎疾患を有しており,その内訳は重複も含めて,脳血管障害が55.5%(10例/18例),心疾患が22.2%(4例/18例),慢性呼吸不全が5.5%(1例/18例),悪性疾患が16.6%(3例/18例)であった.また,高度認知症が66.6%(12例/18例)にみられ,抗凝固剤・抗血小板剤内服症例が66.6%(12例/18例)であった.ASAスコアによる耐術能評価では,ASA-PS3以上のものが88.8%(16例/18例)で,寝たきり度B以上が66.6%(12例/18例)であった.初発時治療は抗生剤単独治療が11例で,ドレナージ+抗生剤治療が7例であった.2.成績:手技成功率は94.4%(17例/18例)であった.偶発症は軽症膵炎が6.6%(1例)みられた.成功した全例において経過観察期間中(平均14ヶ月:0.5ヶ月~42ヶ月)の胆嚢炎の再発はみられなかった.【結語】多数例での検討が必要であるが,後期高齢者に対する胆嚢炎再発予防目的の治療法として,内視鏡的経乳頭的胆嚢内ステント留置術が有用である可能性が示唆された. |
索引用語 |