セッション情報 口演

胆道癌

タイトル O-323:

Statinによる胆管癌化学療法の効果増強の可能性

演者 神垣 充宏(広島大学消化器・代謝内科)
共同演者 佐々木 民人(広島大学消化器・代謝内科), 芹川 正浩(広島大学消化器・代謝内科), 小林 賢惣(広島大学消化器・代謝内科), 斎 宏(広島大学消化器・代謝内科), 南 智之(広島大学消化器・代謝内科), 岡崎 彰仁(広島大学消化器・代謝内科), 行武 正伸(広島大学消化器・代謝内科), 石垣 尚志(広島大学消化器・代謝内科), 石井 康隆(広島大学消化器・代謝内科), 小酒 慶一(広島大学消化器・代謝内科), 毛利 輝生(広島大学消化器・代謝内科), 吉見 聡(広島大学消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大学消化器・代謝内科)
抄録 【目的】胆管癌は外科的切除でのみ根治が期待されるが,切除不能で診断される場合も多い.また,化学療法としてGemcitabine,Cisplatin,S-1などが使用されるが,生命予後には依然として改善の余地がある.一方HMG-CoA reductase阻害剤(Statin)は潜在的に抗腫瘍効果を持つといわれるが,詳細に関しては未だに不明な点が多く,胆管癌に対する効果,抗癌剤との併用に関する報告も乏しい.胆管癌に対するStatinの有用性を研究した.【方法】ヒト胆管癌細胞株HuCCT1・YSCCCに対してPitavastatin,Atorvastatinを曝露し,WST-8 assayにて細胞増殖抑制効果を判定した.またFACSによる細胞周期解析,Western Blottingによる蛋白質の解析を行った.またStatinと既存の抗癌剤であるGemcitabine,Cisplatin,5Fuとの併用による効果を判定した.【成績】WST-8 assayでは,HuCCT1・YSCCCはPitavastatin,Atorvastatinの曝露によって,増殖を抑制された.FACSではG2M分画の減少,sub G1分画の増加を認め,Western BlottingではCleaved caspase-3の増加,p-ERKの減少を認めた.またWST-8 assayにて,Statinと既存の抗癌剤であるGemcitabine,Cisplatin,5Fuとの併用による相加的増殖抑制効果が認められ,FACSにおいてもStatinの併用によってG2M分画の減少,sub G1分画の増加が認められた.【結語】Statinは胆管癌細胞株を古典的MAPK経路の抑制を介してApoptosisに導くこと,またStatinを既存の抗癌剤と同時に曝露することで,胆管癌細胞株に対する抗腫瘍効果が増強されることも認められた.
索引用語