セッション情報 | 口演膵臓 診断 |
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タイトル | O-329:EUS-FNA導入初期施設での診断率向上を目指した検体取り扱いの工夫 |
演者 | 井上 匡央(岐阜県立多治見病院消化器内科) |
共同演者 | 奥村 文浩(岐阜県立多治見病院消化器内科), 福定 繁紀(岐阜県立多治見病院消化器内科), 加地 謙太(岐阜県立多治見病院消化器内科), 夏目 まこと(岐阜県立多治見病院消化器内科), 安部 快紀(岐阜県立多治見病院消化器内科), 西江 裕忠(岐阜県立多治見病院消化器内科), 西 祐二(岐阜県立多治見病院消化器内科), 水島 隆史(岐阜県立多治見病院消化器内科), 佐野 仁(岐阜県立多治見病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】当院ではEUS-FNAを2008年より本格導入しているが,他施設と比較し十分な成績ではなかった.病理部門の人員が少なく迅速細胞診は行うことが出来ないが,病理部と協議を繰り返し,診断能向上のため2012年4月より新たな検体処理法を導入したため,その有用性について検証した.【方法】対象は2012年3月までにEUS-FNAを施行した前期群85例,病理検体の取り扱いを改善した2012年4月から8月までの後期群25例.前期群は検体採取後,シャーレに押し出した検体から明らかな組織片をホルマリン瓶に入れ,残りの検体をその場でスライドガラスに塗抹していた(引きガラス法).しかし術者によって扱いにばらつきがあり,また病理部より検体の挫滅,乾燥等が多いとの意見だった.このため後期群では(1)手技安定のため検体の処理は毎回同じ2名の検査技師が行う(2)明らかな組織片をホルマリン瓶に入れる(3)残りの検体は少し時間をおきやや凝固,凝集したところでホルマリンを数滴垂らし,凝集塊を剥がしてホルマリン瓶に入れる(4)残りの液体成分をスポイトで回収しスピッツに入れ遠心塗抹する(オートスメア法),以上の手順に変更し,検体採取率,感度,特異度,正診率に関して比較検討した.【結果】前期群では検体採取率94.1%(80/85),感度81.3%(52/64),特異度87.5%(14/16),正診率82.5%(66/80)であった.診断法別の正診率は細胞診72.3%(57/79),組織診75.9%(60/79)だった.後期群では検体採取率100%(25/25),感度94.4%(17/18),特異度100%(7/7),正診率96.0%(24/25)と向上を得た.診断法別でも細胞診92.0%(23/25),組織診96%(24/25)と改善を認めた.【結論】今回導入した検体処理法は採取率向上,診断に足る標本作製に寄与し,診断率向上の結果を得ることが出来た.病理部との密な連携を行い施設の事情に合ったより良い方法を確立していく事が重要と考えられた. |
索引用語 |