セッション情報 | 口演膵炎1 |
---|---|
タイトル | O-330:膵発生学的見地から検討した自己免疫性膵炎~Autoimmune dorsal pancreatitisの提唱~ |
演者 | 原 精一(東京都立駒込病院消化器内科) |
共同演者 | 神澤 輝実(東京都立駒込病院消化器内科), 来間 佐和子(東京都立駒込病院消化器内科), 田畑 拓久(東京都立駒込病院消化器内科), 千葉 和郎(東京都立駒込病院消化器内科), 小泉 浩一(東京都立駒込病院消化器内科), 藤原 崇(東京都立駒込病院消化器内科), 江頭 秀人(東京都立駒込病院消化器内科), 桑田 剛(東京都立駒込病院消化器内科), 門馬 久美子(東京都立駒込病院内視鏡科), 荒川 丈夫(東京都立駒込病院内視鏡科), 藤原 純子(東京都立駒込病院内視鏡科) |
抄録 | 【目的】膵臓は発生学的に背側膵と腹側膵が癒合して形成される.膵管非癒合の背側膵のみに存在する完全型膵管癒合不全を合併した自己免疫性膵炎を経験した.今回,当院において診断を行った自己免疫性膵炎を,発生学的見解より臨床症状や膵胆管像の違いなどを検討した.【方法】Asian criteriaを満たす自己免疫性膵炎86例を対象とした.ERP上の膵管病変の存在部位を背側および腹側膵型(VD type),背側膵型(D type),腹側膵型(V type)に分類し,臨床的特徴について検討した.【結果】1.VD typeは64例(びまん性膵腫大38例,膵頭部限局性腫大26例),D typeは21例(びまん性3例,膵頭部限局1例,体尾部限局性腫大17例),V typeは1例(膵頭部限局)であった.下部胆管狭窄(95%(VD type)vs.15%(D type),p<0.01)と閉塞性黄疸(86% vs. 0%,p<0.01)はVD typeに多く,腹痛はD typeで多かった(3% vs. 30%,p<0.01).急性膵炎はD typeの4例でのみ認めた.V typeは,約1.5 cmの腹側膵管狭細像と下部胆管狭窄を呈した.2.膵頭部に病変が存在したD typeの4例の膵管像は膵管非癒合1例,膵管不完全癒合2例,通常型1例であった.これら4例は,下部胆管狭窄は軽度で腹痛で発症した.膵管非癒合例ではIgG4陽性形質細胞浸潤は主乳頭にはみられず副乳頭のみに認めた.【結語】発生学的に検討すると,背側膵のみに限局する自己免疫性膵炎が存在し,autoimmune dorsal pancreatitisという概念を提唱する. |
索引用語 |