セッション情報 | 口演膵炎1 |
---|---|
タイトル | O-331:自己免疫性膵炎とIgG4関連涙腺炎に関する臨床的検討 |
演者 | 小泉 理美(都立駒込病院消化器内科) |
共同演者 | 神澤 輝実(都立駒込病院消化器内科), 小泉 浩一(都立駒込病院消化器内科), 江頭 秀人(都立駒込病院消化器内科), 藤原 崇(都立駒込病院消化器内科), 桑田 剛(都立駒込病院消化器内科), 来間 佐和子(都立駒込病院消化器内科), 原 精一(都立駒込病院消化器内科), 田畑 拓久(都立駒込病院消化器内科), 千葉 和朗(都立駒込病院消化器内科), 齋藤 格(都立駒込病院消化器内科), 剛崎 有加(都立駒込病院消化器内科), 長尾 知子(都立駒込病院消化器内科), 遠藤 佑香(都立駒込病院消化器内科), 門馬 久美子(都立駒込病院・内視鏡科), 荒川 丈夫(都立駒込病院・内視鏡科), 藤原 純子(都立駒込病院・内視鏡科) |
抄録 | 【目的】自己免疫性膵炎(AIP)とIgG4関連涙腺炎はIgG4関連疾患の臓器部分症である.今回我々はAIPとIgG4関連涙腺炎の合併有無における臨床的特徴を検討した.【対象・方法】1990年から2012年までに当院で診断されたAIP(n=80),IgG4関連涙腺炎(n=19)を対象として,IgG4関連涙腺炎を合併しないAIP A群(n=75),AIPを合併しないIgG4関連涙腺炎D群(n=14),AIPとIgG4関連涙腺炎とを合併するA+D群(n=5)に分けて,年齢,性別,血中IgG4値およびIgG値,IgG4/IgG,合併病変に関して検討した.【結果】1.診断時の年齢はA群63.2±12.1歳,D群58.0±18.0歳,A+D群64.4±4.4歳(mean±SD)と各群で明らかな差はなかった.2.男性比率はA群(70.7%),D群(50.0%),A+D群(60.0%)で,男女比に有意な差はみられなかった.3.初診時血中IgG4値は,A+D群は1283.2±910.3 mg/dlでA群(472.9±524.3 mg/dl)と比較して有意に高値だったが(p<0.05),D群(570.8±477.7 mg/dl)とは差を認めなかった.4.血中IgG値は,A+D群で2440±1026.4 mg/dlとA群(1885±819.3 mg/dl)より,A群はD群(1772±428 mg/dl)より有意に高値であった(p<0.05).5.IgG4/IgGは,A+D群で48.1±23.1%とA群(20.6±16.1%)より有意に高値であった(p<0.05)が,A+D群とD群(29.2±21.1%),A群とD群に差は認めなかった.6.他臓器病変の合併は,A群で31/75例(41.3%),D群で6/15例(40.0%)に認められ,どちらも他臓器非合併例と比較してIgG4/IgGが高い傾向にあった(p<0.02).【結論】AIPとIgG4関連涙腺炎の血清IgG,IgG4とIgG4/IgGの臓器特異性は明らかではなかったが,AIPにIgG4関連涙腺炎が合併すると,合併していないA群より有意に血中IgG4値,IgG値とIgG4/IgGの上昇を認めた.またAIPもIgG4関連涙腺炎も,他臓器病変の合併ではIgG4/IgGの高値を示した. |
索引用語 |