セッション情報 口演

膵炎1

タイトル O-334:

結石径からみた非手術的膵石治療の治療回数

演者 山本 智支(藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院消化器内科)
共同演者 芳野 純治(藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院消化器内科), 乾 和郎(藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院消化器内科), 若林 貴夫(藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院消化器内科), 三好 広尚(藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院消化器内科), 小林 隆(藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院消化器内科), 小坂 俊仁(藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院消化器内科), 友松 雄一郎(藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院消化器内科), 松浦 弘尚(藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院消化器内科), 成田 賢生(藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院消化器内科), 鳥井 淑敬(藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院消化器内科), 森 智子(藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院消化器内科), 黒川 雄太(藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院消化器内科), 細川 千佳生(藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院消化器内科), 安江 祐二(藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院消化器内科)
抄録 【目的】我々はESWLによる膵石治療の有用性について報告し,膵石消失率に影響するのは結石径・個数,主膵管狭窄の有無などではなく,膵石分布の状態であると報告してきたが,結石径が大きい症例では治療にかかる期間が長くなることも事実であった.今回,結石径による治療成績を検討し,何回まで治療を勧めるのが適切かについて検討した.【対象と方法】1990~2012年の23年間で膵石治療を行った膵石症例は112例であった.平均観察期間は55ヶ月(1~260ヶ月),平均年齢は56歳(22~78歳),男女比は5:1で,成因はアルコール性84例(75%),非アルコール性28例(25%)であった.全例にESWLを行い,結石消失が得られない場合に内視鏡的治療を追加した.112例を結石径で10mm未満と10mm以上に分け,また治療回数を4回以下と5回以上に分けて,結石径による治療成績を検討した.統計学的解析はχ2検定を用いた.【結果】全例でESWLの破砕効果を認め,結石消失率は内視鏡治療を併用することで88%(99/112例)であった.ESWL実施回数が4回以下の症例では結石消失率が94%(76/81例)と高率であった.結石消失が得られた99例中結石径が10mm以上は62例で,68%(42/62例)がESWL4回以下で結石が消失した.10mm未満は37例中92%(34/37例)が4回以下で消失しており,10mm以上の結石では10mm未満と比較して5回以上かかっていることが有意に多かった.結石消失を得られなかった13例を検討すると,10mm未満では4例中2例が5回以上行ったのに対して,10mm以上では9例中6例で5回以上行っていた.すなわち,結石が大きい症例では5回以上行っても消失が得られない可能性が高いと考えられた.【結論】回数を多く行うことで結石消失率に結石径は関係しないが,10mm以上の膵石症例では4回までに消失しなければ消失する可能性が低くなる.
索引用語