セッション情報 口演

膵炎2

タイトル O-338:

Benzoyl-L-tyrosyl-[l-13C]alanine呼気試験とPFD試験―同時試験の基礎的検討―

演者 松本 敦史(八戸市立市民病院内分泌糖尿病科)
共同演者 丹藤 雄介(弘前大学医学部内分泌代謝内科), 長谷川 範幸(国保板柳中央病院内科), 柳町 幸(弘前大学医学部内分泌代謝内科), 田中 光(弘前大学医学部内分泌代謝内科), 佐藤 江里(弘前大学医学部内分泌代謝内科), 今 昭人(弘前大学医学部内分泌代謝内科), 三上 恵理(弘前大学医学部付属病院栄養管理部), 中村 光男(弘前大学医学部保健学科病因・病態検査学)
抄録 【目的】本邦では,食事による脂肪摂取量が40g/day以上で,糞便中脂肪排泄量5g/day以上の膵性脂肪便を呈する場合を膵外分泌機能不全と定義している.Benzoyl-L-Tyrosyl-[1-13C]Alanine(以下,13C-BTA)呼気試験では,Δ13CO2ピーク値(以下,Cmax)をもとに膵外分泌機能不全を診断できるが,肝硬変非代償期や胃麻痺の場合にはCmaxが低下する事がある.一方,PFD試験では,6時間蓄尿を行い,尿中PABA排泄率をもとに膵外分泌機能を評価するが,泌尿器系の影響を受けやすい.そこで今回我々は,両試験の短所を補填し,膵外分泌機能不全診断の精度を高める目的で,13C-BTA呼気試験とPFD試験の両者を同時に行う事を検討した.【方法】健常者11例(男性5例,女性6例,37.4±14.2歳)を対象として,13C-BTA呼気試験,PFD試験および両者の同時試験を行った.【結果】13C-BTA呼気試験のCmaxは単独試験で48.3±9.57‰,同時試験で39.5±7.87‰と,同時試験で有意に低値であった.PFD試験の尿中PABA排泄率は,単独試験で77.0±6.07%,同時試験で71.0±4.27%と,同時試験で有意に低値であった.【結論】13C-BTA呼気試験のCmax,PFD試験の尿中PABA排泄率の両者とも,同時試験の方が有意に低値であった.このため,同時試験を行う場合には,新たな基準が必要だと考えられた.
索引用語