セッション情報 口演

胆道 診断

タイトル O-339:

胆管狭窄に対する経乳頭的胆管生検及び細胞診の診断能と偶発症の検討

演者 山本 健太(大垣市民病院消化器内科)
共同演者 熊田 卓(大垣市民病院消化器内科), 桐山 勢生(大垣市民病院消化器内科), 谷川 誠(大垣市民病院消化器内科), 久永 康宏(大垣市民病院消化器内科), 豊田 秀徳(大垣市民病院消化器内科), 金森 明(大垣市民病院消化器内科), 多田 俊史(大垣市民病院消化器内科), 新家 卓郎(大垣市民病院消化器内科), 長谷川 綾平(大垣市民病院消化器内科), 伊藤 隆徳(大垣市民病院消化器内科), 安藤 祐資(大垣市民病院消化器内科), 田中 達也(大垣市民病院消化器内科), 曽根 康博(大垣市民病院放射線科)
抄録 【目的】経乳頭的胆管生検及び胆汁細胞診の成績と偶発症の検討を行った.
【対象,方法】2005年2月から平成24年7月31日にかけて当院で経乳頭的胆管生検を施行した107症例を対象とした.男:女67:40,73歳(25-89歳).悪性胆道狭窄89例(膵臓癌28,胆管癌46,胆嚢および胆嚢管癌11,転移性リンパ節3,乳頭部癌1)良性胆管狭窄18例(PSC4,IgG4関連疾患2,炎症12)であった.悪性胆道狭窄の手術例は最終病理診断,非手術例は生検結果と画像診断で診断し,良性胆道狭窄例は6カ月以上臨床経過が観察可能で悪性疾患が否定されたものとした.
膵炎はcottonのcriteriaに準じ,高アミラーゼ血症は検査24時間後の血清アミラーゼ値が2倍以上と定義した.生検の診断能・細胞診の上乗せ効果をretrospectiveに検討した.偶発症に関しては2005年2月1日から2011年10月31日にかけて胆管生検を施行した75例を対象に多重ロジスティック解析を用いて膵炎の危険因子を検討した.検討項目は性別,年齢,膵管造影の有無,EST,管腔内超音波検査の施行有無とした.
【成績】生検回数は中央値で3回(1-6回),検体採取率は88.7%(95/107)であった.検体が不十分で評価困難な12症例を除いた経乳頭的胆管生検の感度,特異度,正診率は各々82.1%,100%,85.2%,胆汁細胞診(n=58)は各々44.8%,100%,53.4%であり,細胞診を併用する事で84.8%,100%,86.5%に改善した.偶発症は高AMY血症20症例(32.5%),膵炎を8症例(9.6%:2例が中等度)に認めた.出血は認めなかった.経乳頭的胆管生検時の膵炎に対する危険因子はESTの有無のみが有意差を認めた.(p=0.048 95%CI:0.0108-0.97995)
【結論】細胞診と比較して経乳頭的胆管生検は良好な成績を認めた.併用することでより確実な診断が得られる可能性が示された.偶発症として膵炎が9.6%にみられ,EST未施行下での胆管生検が独立した危険因子として認められた.
索引用語