セッション情報 口演

胆道 診断

タイトル O-340:

膵・胆管合流異常の診断過程の検討

演者 遠藤 佑香(東京都立駒込病院消化器内科)
共同演者 神澤 輝実(東京都立駒込病院消化器内科), 小泉 浩一(東京都立駒込病院消化器内科), 藤原 崇(東京都立駒込病院消化器内科), 江頭 秀人(東京都立駒込病院消化器内科), 来間 佐和子(東京都立駒込病院消化器内科), 桑田 剛(東京都立駒込病院消化器内科), 原 精一(東京都立駒込病院消化器内科), 門馬 久美子(東京都立駒込病院内視鏡科), 荒川 丈夫(東京都立駒込病院内視鏡科), 藤原 純子(東京都立駒込病院内視鏡科), 田畑 拓久(東京都立駒込病院消化器内科), 千葉 和郎(東京都立駒込病院消化器内科), 剛﨑 有加(東京都立駒込病院消化器内科), 斉藤 格(東京都立駒込病院消化器内科), 長尾 知子(東京都立駒込病院消化器内科), 木村 麻衣子(東京都立駒込病院消化器内科), 渡海 義隆(東京都立駒込病院消化器内科), 小泉 理美(東京都立駒込病院消化器内科)
抄録 【目的】膵・胆管合流異常(以下合流異常)は膵液胆道逆流現象により高率に胆道癌を合併する.合流異常と診断されれば予防的手術が行われるが,成人では合併した進行胆道癌を契機に合流異常が診断されることが少なくない.合流異常の早期診断を目指して,その診断過程について検討した.【方法】当院で経験した合流異常110例(先天性拡張症54例,胆管非拡張型56例)を対象とした.【結果】1,診断時年齢は拡張型49.1±18.3歳(mean±SD),非拡張型58.6±11.6歳であった.診断時の主訴は,腹痛,黄疸,超音波異常等であった.2,拡張症では胆嚢癌10例(18.5%),胆管癌9例(17%)の合併を認めた.診断時の年齢別の胆道癌合併率は39歳以下1例(0.05%),40歳代5例(62.5%),50歳代3例(30%),60歳以上10例(55%)であり,年齢と合併率の増加には有意差が見られた(P=0.02).胆管最大径21mm以下の例では胆管癌の合併は見られなかった.3,非拡張型の38例(68%)に胆道癌を合併し,全て胆嚢癌であった.年齢別の胆嚢癌合併率は,39歳以下0例,40歳代6例(55%),50歳代14例(78%),60歳以上18例(75%)であり,加齢と共に増加する傾向にあった(p=0.09).胆嚢癌非合併の状態で診断された18例の診断契機(重複あり)は,超音波検査による胆嚢壁肥厚所見9例(胆嚢過形成4例,慢性胆嚢炎3例,胆嚢腺筋腫症2例),胆石6例,膵炎2例,他の悪性腫瘍精査中に発見3例であった.
【結論】合流異常では,診断時の年齢と共に胆道癌の合併率が上昇した.特に胆管非拡張型では症状が出にくいので,超音波検査による胆嚢壁肥厚所見などから合流異常を疑ってMRCPやERCPなどを施行して,発癌前に診断する事が肝要である.
索引用語