セッション情報 口演

胆道 診断

タイトル O-342:

当院における十二指腸傍乳頭憩室の検討

演者 和唐 正樹(香川県立中央病院消化器内科)
共同演者 稲葉 知己(香川県立中央病院消化器内科), 水川 翔(香川県立中央病院消化器内科), 高嶋 志保(香川県立中央病院消化器内科), 泉川 孝一(香川県立中央病院消化器内科), 石川 茂直(香川県立中央病院消化器内科), 田岡 伸朗(香川県立中央病院総合診療科), 馬場 伸介(香川県立中央病院肝臓内科), 三好 正嗣(香川県立中央病院消化器内科), 妹尾 知典(香川県立中央病院肝臓内科), 永野 拓也(香川県立中央病院肝臓内科), 高口 浩一(香川県立中央病院肝臓内科), 河合 公三(香川県立中央病院消化器内科)
抄録 【目的】厳密な定義はないが,十二指腸乳頭部付近に認める憩室は,傍乳頭憩室と呼ばれており,内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)時にしばしば遭遇する.今回,十二指腸傍乳頭憩室の特徴を検討した.【方法】2002年1月から2011年12月の10年間に,当院にてERCPを行った1222例を対象とした.同一患者で複数回入院・検査歴のある場合は,同検討期間中の初回検査時の成績で検討した.憩室を有するD(+)群と憩室を有さないD(-)群の2群に分類し比較検討した.【成績】D(+)群は402例(32.9%)であり,D(-)群は820例(67.1%)であった.平均年齢はD(+)群73.4±10.3歳,D(-)群68.7±13.4歳であり,男女比はD(+)群M:F=205:197,D(-)群M:F=458:362であった.両群間につき年齢(75歳以上か未満か),性別,基礎疾患(高血圧,虚血性心疾患,脳血管障害,糖尿病,慢性呼吸不全,慢性腎不全),総胆管結石の有無,胆嚢結石の有無,術後胃か否か,偶発症(膵炎,胆管炎,出血,肺炎,術中の異常高血圧,術中の低酸素血症),造影及び処置の成功率について比較し,単変量解析では年齢(p<0.0001),高血圧(p=0.0001),脳血管障害(p=0.0330),腎不全(p=0.0220),総胆管結石の有無(p<0.0001),胆嚢結石の有無(p=0.0022)が有意な因子であったが,多変量解析において年齢(p=0.0250,ODDs比1.35[95%CI 1.04-1.75]),高血圧(p=0.0065,ODDs比1.43[95%CI 1.10-1.84]),総胆管結石の有無(p<0.0001,ODDs比2.26[95%CI 1.73-2.97])の3因子が独立した因子であった.【結論】傍乳頭憩室を有する症例は有さない症例に比べ高齢で,高血圧の合併が高く,総胆管結石を高率に認めた.
索引用語