セッション情報 |
口演
胆道 内視鏡治療
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タイトル |
O-344:Roux-en-Y再建に対するシングルバルーン内視鏡を用いたERCP
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演者 |
早稲田 洋平(石川県立中央病院消化器内科) |
共同演者 |
山田 真也(石川県立中央病院消化器内科), 土山 寿志(石川県立中央病院消化器内科) |
抄録 |
【目的】近年バルーン内視鏡の登場によりアプローチが困難とされてきたRoux-en-Y(R-Y)再建に対するERCPが行われている.当院ではシングルバルーン内視鏡SIF-Q260(SBE)を用いて行っているが,有効長2000mmでありERCP処置具の多くは使用できない.SBEでの手技の工夫および成績を報告する.【方法】2009年1月より2012年8月にR-Y再建の総胆管結石症例に対してERCP関連処置を行った11例を対象とした.まずSBEにて十二指腸主乳頭部まで到達,可能な限り腸管を直線化し,オーバーチューブのバルーンを膨らました状態でSBEを抜去する.オーバーチューブに切れ込みを入れ,切れ込みよりXQ-260を挿入し処置を行う.症例に応じて経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD)ルートからのランデブー法を用いている.PTCDよりガイドワイヤーを可能な限り腸管口側へ進め,SBEの鉗子口を通じて外へ引き出す.腸管の直線化が不十分であれば,内視鏡側とPTCD側のガイドワイヤーを同時に牽引してテンションをかけた状態で直線化を行う.その後にオーバーチューブの切れ込みよりガイドワイヤー越しにXQ-260を挿入し処置を行う.【結果】ランデブー法を用いなかった8例中7例(87.5%)で乳頭到達可能であった.XQ-260の挿入の際2例オーバーチューブが抜けてしまい,胆管造影は5例(62.5%),胆管挿管は4例(50%)で可能であった.EST2例,EPBD2例を行ったが,1例は採石時にオーバーチューブが抜けたため3例(37.5%)で処置を完遂できた.ランデブー法は初回ERCPにて乳頭到達不能であった1例,および急性胆管炎2例計3例に用いた.初回乳頭到達不能例はランデブー法でも到達できず,2例(67.7%)で乳頭到達可能であった.乳頭到達例はPTCDよりのガイドワイヤーにより胆管挿管は容易であり2例ともにEPBDを施行,処置を完遂できた.【結論】ランデブー法を用いない場合,処置完遂は低率であった.ランデブー法を用いた場合,乳頭到達可能であれば処置完遂が期待される.可能な限り,特に急性胆管炎症例ではランデブー法を意識したPTCD先行が望ましい. |
索引用語 |
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