セッション情報 口演

胆道 内視鏡治療

タイトル O-345:

術後再建腸管症例の胆道疾患に対するダブルバルーン内視鏡を用いた内視鏡的逆行性胆管造影および内視鏡的治療の有用性

演者 宇田 創(大阪警察病院内科)
共同演者 村田 真衣子(大阪警察病院内科), 榎原 良一(えばら臨港クリニック), 佐藤 克彦(大阪警察病院内科), 姫野 愛子(大阪警察病院内科), 占部 真貴子(大阪警察病院内科), 妻野 恵理(大阪警察病院内科), 楠本 侑弘(大阪警察病院内科), 須田 貴広(大阪警察病院内科), 堀江 真以(大阪警察病院内科), 大嶋 太郎(大阪警察病院内科), 景山 宏之(大阪警察病院内科), 山口 真二郎(大阪警察病院内科), 宮竹 英希(大阪警察病院内科), 水谷 昌代(大阪警察病院内科), 岡田 章良(大阪警察病院内科), 河相 直樹(大阪警察病院内科), 尾下 正秀(大阪警察病院内科)
抄録 【目的】術後再建腸管を有する症例の胆道疾患はその治療が困難であり,開腹手術をされることが多かった.近年,ダブルバルーン内視鏡を用いた内視鏡的逆行性胆管造影(以下,DBE-ERCP)および内視鏡的治療を施行することにより,開腹手術をすることなく,その診断・治療が可能となり,患者のQOLが改善してきている.今回,当院におけるDBE-ERCPの現状および有用性について検討した.【対象及び方法】対象は,2009年7月~2012年6月の3年間に,当院でDBE-ERCP施行した53件31症例.男性が28例,女性が3例,平均年齢は71.8歳(44~86).腸管の再建法は,Billroth2再建法(以下B-2再建)が5例,Roux-en-Y再建法(以下R-Y再建)21例,胆管空腸吻合が5例であった.【成績】(1)対象の胆道疾患は,22例が総胆管結石もしくは肝内結石,9例が悪性腫瘍による胆管狭窄であった.(2)乳頭到達率はB-2再建が85%(6/7),R-Y再建が95%(37/39),胆管空腸吻合が57%(4/7)であった.(3)乳頭到達例における胆管挿管成功率はB-2再建が100%(6/6),R-Y再建が86%(32/37),胆管空腸吻合が100%(4/4)であった.(4)胆道結石症例での結石除去は90%(20/22)でなされ,これら症例では開腹手術を回避できた.悪性腫瘍による胆管狭窄例では胆管挿管しえた全例において,細胞診・減黄処置を行えた.(5)重大な合併症として,ファイバー操作による小腸穿孔(1例),乳頭切開によると思われる穿孔(1例)を認めた.【結論】上記の成績のごとく,DBE-ERCPは,術後再建腸管を有する胆道疾患において,開腹手術をすることなく,その診断・治療ができる有用性を認め,同患者にもたらす恩恵は大きく,QOLを改善するものと思われた.
索引用語