セッション情報 口演

胆道 内視鏡治療

タイトル O-347:

EST併用ラージバルーン法により除石を行った総胆管結石症例の検討

演者 石橋 潤一(仙台厚生病院消化器センター消化器科)
共同演者 二瓶 公佑(仙台厚生病院消化器センター消化器科), 中條 惠一郎(仙台厚生病院消化器センター消化器科), 奥薗 徹(仙台厚生病院消化器センター消化器科), 水野 浩志(仙台厚生病院消化器センター消化器科), 宮下 祐介(仙台厚生病院消化器センター消化器科), 高橋 佳之(仙台厚生病院消化器センター消化器科), 羽根田 晃(仙台厚生病院消化器センター消化器科), 佐藤 俊(仙台厚生病院消化器センター消化器科), 三宅 直人(仙台厚生病院消化器センター消化器科), 三島 利之(仙台厚生病院消化器センター消化器科), 松田 知巳(仙台厚生病院消化器センター消化器科), 中堀 昌人(仙台厚生病院消化器センター消化器科), 長南 明道(仙台厚生病院消化器センター消化器科)
抄録 【背景・目的】近年大結石や積み上げ結石などの除石困難例に対し,EST後に大口径のバルーンを用いて胆管開口部を開大させ除石を行うEST併用ラージバルーン法(以下EST+EPLBD)の有用性が報告されている.そこで,今回当科で施行したEST+EPLBD症例の治療成績について検討を行った.【対象と方法】当科にて2011年4月から2012年8月までの間にEST+EPLBDを施行した25症例を対象とした.対象の内訳は,男女比14:11,平均年齢73.3歳(59‐91歳),平均結石径10.6mm(10-15mm),平均結石個数2個(1-5個)であった.25例のうち,3例は胃全摘後の症例であり,ダブルバルーン小腸鏡による治療を行った.小切開から中切開程度のESTを施行後にnotchが消失するまで透視下にバルーン拡張を行い,拡張後は原則として機械的砕石機を使用したが,症例によってはオフセットバルーンによる除石を行った.除石後にバルーン造影にて遺残結石の有無を確認した.対象の内訳は,男女比14:11,平均年齢78.1歳(59‐91歳),平均結石短径12.7mm(10-16mm),平均結石個数5.8個(1-15個)であり,使用した拡張バルーン径は12-15mm:22例,15-18mm:3例であった.【成績】除石に要した治療回数は大部分が1回であり,2回の除石術を要した症例は1例のみであった.ほとんどの症例で砕石なしでの除石が可能であったが,4例で機械的砕石機を用いた(砕石率16%).偶発症はなく,観察期間中での再発も見られていない.【結論】EST+EPLBDは,大結石に対して多くの症例で砕石を行わずに短時間に除石可能であり,積み上げ結石に対してもオフセットバルーンなどのデバイスの使用により有用な治療手段と考えられた.今後さらに症例を集積し,偶発症や逆行性感染や結石の再発など長期予後に関して詳細に検討することが必要であると考えられた.
索引用語