セッション情報 | ポスター食道癌 |
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タイトル | P-002:当科における切除不能進行食道癌の治療成績 |
演者 | 吉水 祥一(関西労災病院消化器内科) |
共同演者 | 柄川 悟志(関西労災病院消化器内科), 土居 哲(関西労災病院消化器内科), 嶋吉 章紀(関西労災病院消化器内科), 板倉 史晃(関西労災病院消化器内科), 阿部 佳奈子(関西労災病院消化器内科), 小豆澤 秀人(関西労災病院消化器内科), 戸田 万生良(関西労災病院消化器内科), 中村 剛之(関西労災病院消化器内科), 糸瀬 一陽(関西労災病院消化器内科), 牧野 仁(関西労災病院消化器内科), 望月 圭(関西労災病院消化器内科), 伊藤 善基(関西労災病院消化器内科), 萩原 秀紀(関西労災病院消化器内科), 林 紀夫(関西労災病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】切除不能進行食道癌に対する全身化学療法としては5-FU+シスプラチンの2剤併用(FP)療法が一般的であるが,近年ドセタキセルを加えた3剤併用療法(DCF)の有効性が期待されている.当科における切除不能進行食道癌に対する治療の妥当性を明らかにすることを目的とし,治療成績について検討を行った.【方法】2009年1月から2012年8月の間に当科で診断・治療を行った切除不能進行食道癌28例を対象とした.年齢は平均69.3歳(49-86),男性26例/女性2例,cStageIII/IVa/IVbそれぞれ4/18/6例であった.化学放射線療法,全身化学療法,放射線療法のいずれかによる治療を行い,全身化学療法はcStageIVb症例,または局所治療では不十分と考えられるcStageIVa症例に対して施行した.【結果】積極的治療を行った切除不能進行食道癌28例の平均観察期間は302日,1年生存率43%,2年生存率20%であった.cStageIII+IVa群の生存期間中央値(MST)は545日,cStageIVb群のMSTは290日であった.化学放射線療法+放射線療法群と全身化学療法群の1年生存率はそれぞれ33%/50%であった.全身化学療法を行った症例は18例であり,DCF群6例と非DCF群(FP,5-FU+シスプラチン+アドリアマイシン,ドセタキセル単剤)12例の比較では,1年生存率60%対43%とDCF群で良好であるが生存期間に有意差を認めなかった.治療関連死あるいは急速な病状進行のため全身化学療法を1クールのみしか施行できなかった症例をDCF群,非DCF群とも2例ずつ認めた.【結論】切除不能進行食道癌に対する全身化学療法としてのDCF療法は,従来の全身化学療法に比べて生存期間を延長できる可能性があり,今後の症例の蓄積が望まれる.しかし治療関連死は従来の化学療法同様に一定の割合で生じると予想され,治療に当たり,正確な全身状態の把握と十分なインフォームドコンセントが必要であると考える. |
索引用語 |