セッション情報 ポスター

食道癌

タイトル P-004:

食道T1a-MM・SM癌におけるESD後追加治療の治療成績

演者 近藤 真也(愛知県がんセンター中央病院内視鏡部)
共同演者 田近 正洋(愛知県がんセンター中央病院内視鏡部), 田中 努(愛知県がんセンター中央病院内視鏡部), 山雄 健次(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部), 水野 伸匡(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部), 原 和生(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部), 肱岡 範(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部), 今岡 大(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部), 永塩 美邦(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部), 長谷川 俊之(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部), 大林 友彦(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部), 品川 秋秀(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部), 関根 匡成(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部), 丹羽 康正(愛知県がんセンター中央病院内視鏡部)
抄録 【目的】深達度がT1a-MM,SM1の食道癌においては,ESDの相対適応とされておりESD後の追加治療の適応や治療成績については明らかでない.今回,当院での追加治療の現状について検討した.【方法】2008年4月から2011年11月までに,当院でESDを行った食道扁平上皮癌60例64病変のうち組織学的に深達度がT1a-MMからSM2であった15例15病変を対象とした.これらの病変に対しESD後の追加治療の有無および治療成績について検討した.追加治療の適応基準は組織学的に低分化型,深達度SM1以深,脈管侵襲陽性,深部断端陽性のいずれかを満たす症例とした.治療内容は外科手術または化学放射線療法(CRT)を基本とした.【結果】平均年齢66歳(53-84),男女比12:3,ESD標本の組織学的評価はT1a-MM ly+:4,ly-:5,SM1 ly+:2,ly-:0,SM2 ly+:3,ly-:1例であった.なお低分化型の病変は認めず,LM,VMおよびvは全症例で陰性であった.適応基準を満たす10例のうち8例で追加治療を行った.追加治療は7例でCRT(5FU+CDDP+RT)が選択され,1例で化学療法(5FU+CDGP)が選択された.外科手術の症例は0例であった.ESD後の観察期間中央値は20.5ヶ月(10.2-43.5)であり,追加治療を行った8例のうち4例(50%)で再発を認めた.2例は初回ESD部位と異なる部位に局所再発,2例はリンパ節再発を認めた.局所再発の2例は追加のEMRにて再びCRが得られた.鎖骨上リンパ節再発例は再度CRTを行い再びCRが得られ,頸部リンパ節再発例はSalvage手術を予定された.追加治療の無い7例は観察期間中に再発は認めていない.また同期間中の死亡例は認めていない.【結論】少数例,短期間の検討ではあるが,追加治療の適応基準については妥当と考えられた.追加CRTは治療後再発の問題があるが,局所の再発に関しては早期発見により内視鏡治療で制御可能であることが示唆された.
索引用語