セッション情報 | ポスター食道癌 |
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タイトル | P-005:当科における食道癌脳転移の検討 |
演者 | 古北 由仁(徳島大学食道外科) |
共同演者 | 丹黒 章(徳島大学食道外科), 坂本 晋一(徳島大学食道外科), 宮本 佳美(徳島大学食道外科), 池田 真由美(徳島大学食道外科), 古川 尊子(徳島大学食道外科), 森本 雅美(徳島大学食道外科), 後藤 正和(徳島大学食道外科), 西野 豪志(徳島大学食道外科), 梶浦 耕一郎(徳島大学食道外科), 山本 洋太(徳島大学食道外科), 武知 浩和(徳島大学食道外科), 清家 純一(徳島大学食道外科) |
抄録 | 【目的】食道癌脳転移は食道癌全体の1-2%と稀であるが,進行・再発例で脳転移が検索されていない場合を考慮すると,実際の頻度はより高いと思われる.一般的に予後不良とされるが,食道癌自体の悪性度が高いため生命予後が短く,その臨床像や治療の有用性については不明な点が多い.【方法】2004年~2012年4月までに当科で経験した食道癌306例中,臨床的に脳転移が証明された9例(2.9%)を検討.【結果】全例男性,平均年齢62.3歳(45-78歳),組織型は扁平上皮癌8例,内分泌細胞癌1例,初診時の病期はcStage III:IVa:IVb=3:1:5例であった.7例は治療経過中に神経症状をきっかけとして脳転移の診断に至ったが,初診時に頭部MRIを採用して以降の2例は無症状で診断しえた.脳以外の他臓器転移は5例にみられたが,4例は脳転移単独であった.転移個数は単発1例,多発8例であり,治療としては,全脳照射3例,定位照射2例,DFP化学療法(weekly DOC+low-dose FP)2例(その内1例が全脳照射を後に追加),対症療法2例であった.脳転移診断日からの中央生存値は有症状の7例が88日(2-178日)であったが,無症状の2例は化学療法が奏効したこともあり,244日(244-334日)と長期生存が得られた.脳転移が直接死因となったのは3例のみであった.【結論】食道癌脳転移は椎骨静脈系を介する静脈性撒布や髄液系を介する経路も指摘されており,必ずしも他の臓器転移を伴わない場合もあり注意を要する.無症候性の微小脳転移に対しては,初回治療としてDFP療法などの強力な3剤併用レジメンが第一選択となりうる可能性が示唆され,定位放射線照射などの選択肢も広がることから,対費用効果を考慮しても症例に応じた定期的な頭部検査が必要と思われた.また不良とされる予後を規定したのは,合併した他臓器・リンパ節などへの遠隔転移であった症例が過半数を占めたことから,全身化学療法による病勢コントロールがなにより重要である. |
索引用語 |