セッション情報 | ポスターGERD |
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タイトル | P-007:肥満・糖尿病と消化器疾患~一般臨床医のアンケート結果をふまえて~ |
演者 | 阪口 正博(守口敬任会病院消化器内科) |
共同演者 | 高尾 美幸(守口敬任会病院消化器内科), 島田 守(守口敬任会病院外科), 恩田 紗緒里(守口敬任会病院消化器内科), 築野 美保(守口敬任会病院消化器内科), 李 喬遠(守口敬任会病院外科), 岡 博史(守口敬任会病院外科) |
抄録 | <背景・目的>今回我々は,一般臨床医が消化器疾患との関連性をどのように考え,肥満・DM患者を診療しているかをアンケート調査するとともに,GERDと生活習慣病の関連性について検討した.<対象・方法>1)一般臨床医447名を対象に,肥満患者診療に際して消化器疾患を留意するかをアンケート調査した.2)一般臨床医125名を対象に,DM診療に際して,どのような疾患・合併症に留意するかをアンケート調査した.3)一年間にスクリーニングで上部内視鏡を施行した1813例を対象に,肥満・生活習慣病とGERD・食道裂孔ヘルニアの関係について検討した.<結果>1)肥満患者の診療において,80%以上の医師が他疾患に比べ消化器疾患をあまり留意しないと答えていた.また,75%以上の医師が,肥満と関連性が強い消化器疾患として逆流性食道炎・胆石症などを考えていた.2)DMの診療において,50%以上の医師が,網膜症・腎症・神経障害だけでなく虚血性心疾患や脳血管障害を留意すると答えたが,消化器疾患を留意する医師は9.6%であった.DM患者に消化器疾患が多いと考える医師は25.2%に過ぎず,疾患別では,虚血性心疾患・脳血管障害が多いとする医師が70%以上存在するのに対して,逆流性食道炎が多いと考える医師は21.3%であった.3)肥満症例のGERD有病率は31.9%とやせ症例や標準体重例と比較して有意に高い値を示していた.食道裂孔ヘルニアの合併はGERD患者では,非GERD患者と比較して高く,肥満によって食道裂孔ヘルニアは有意に増加していた.DM患者では,高率に食道裂孔ヘルニアの合併を認め,非DM患者に比較して高率にGERDの発生を認めた.しかし,有症状例は有意に少なかった.<結語>肥満・DMの診療において,消化器疾患を留意する一般臨床医は少なかった.しかし,逆流性食道炎のように,肥満・DMで多くみられる消化器疾患もあり,生活習慣病の診療において消化器疾患も留意する必要があると考えられた. |
索引用語 |