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大腸炎1

タイトル P-012:

潰瘍性大腸炎確定診断以前の大腸内視鏡像のretrospectiveな分析による潰瘍性大腸炎初期,先行病変の検討

演者 港 洋平(東京都立墨東病院内科)
共同演者 堀内 亮郎(東京都立墨東病院内視鏡科), 古本 洋平(東京都立墨東病院内科), 間野 真也(東京都立墨東病院内科), 浅野 徹(東京都立墨東病院内科), 村山 巌一(東京都立墨東病院内科), 宮本 勇治(東京都立墨東病院内科), 村松 雄輔(東京都立墨東病院内科), 上山 俊介(東京都立墨東病院内科), 石橋 史明(東京都立墨東病院内科), 外山 雄三(東京都立墨東病院内科), 佐崎 なほ子(東京都立墨東病院内科), 鈴木 伸治(国際医療福祉大学三田病院外科・消化器センター), 忠願寺 義通(東京都立墨東病院内科), 藤木 和彦(東京都立墨東病院内科), 渡辺 守(東京医科歯科大学消化器内科)
抄録 【目的】潰瘍性大腸炎では臨床症状が出現して大腸内視鏡検査を行った時点で,すでに典型的な病変を認めることが多く,初期,先行病変は明らかになっていない.今回,潰瘍性大腸炎と診断される以前に大腸内視鏡検査が行われていた症例の内視鏡所見をretrospectiveに分析し,早期診断に役立つ先行する初期病変の所見がないか検討した.【方法】2005年1月から2012年7月に潰瘍性大腸炎と診断された症例で,診断前に当院で大腸内視鏡検査が行われていた症例の内視鏡所見を検討した.【結果】潰瘍性大腸炎と診断した症例は240例で,診断される前に大腸内視鏡検査が施行されていたのは3例であった.症例1は潰瘍性大腸炎と診断される9ヶ月前の内視鏡で盲腸を主体とした散在性のびらん,発赤,浮腫を認め便培結果から感染性腸炎と診断されていた.症例2は19ヶ月前に虫垂開口部近傍に腺腫を認めたのみであった.症例3は17ヶ月前に下行結腸に縦走傾向のある発赤を認め,8ヶ月前に散在性の淡い斑状発赤を認めていた.【結論】初期病変として虫垂開口部病変やアフタ様病変などの報告がされているが,今回の検討結果はいずれも非特異的所見であって,潰瘍性大腸炎の発症を予測することは困難であり,血便などの症状の出現,再燃時に繰り返して大腸内視鏡検査を行うことにより診断が可能となると考えられた.先行する病像についてはそれが潰瘍性大腸炎に関連するものなのか無関係なものなのかの検討を含めてさらなる症例の集積が必要であると考えられた.感染性腸炎その他の腸炎と診断された場合でも経過が典型的でない場合は慎重に経過を追う必要があると考えられた.
索引用語