セッション情報 ポスター

大腸炎1

タイトル P-013:

当科における虚血性大腸炎診断の取り組み

演者 武藤 修一(苫小牧市立病院消化器内科)
共同演者 武田 宏司(北海道大学大学院薬学研究院臨床病態解析学), 大西 俊介(北海道大学大学院消化器内科学), 小西 康平(苫小牧市立病院消化器内科), 江藤 和範(苫小牧市立病院消化器内科), 宮本 秀一(苫小牧市立病院消化器内科)
抄録 【目的】虚血性大腸炎の診断に,内視鏡検査やCT検査に比べて腹部エコー検査は診断能に遜色がない事を報告した(第98回総会,第20回JDDW).近年放射線被爆への関心も高まっており,急性期には腹部エコーを行う事が第一選択と考えるが,多くの施設でCT検査が汎用されているのが現実である.そこで,エコーの有用性を皆に周知後,当科において虚血性大腸炎に対する診断の変遷に付いて検討した.【方法】対象は,2012年1月から2012年8月の間に虚血性大腸炎と診断された23例(男性7例,女性16例,年齢中央値74歳,最小35歳,最大90歳).診断にエコー検査は普及しているか,CT検査の頻度について検討した.【結果】3例は,症状が無く内視鏡にて偶然見つかった症例であった.有症状の残りの20例で検討すると,検査前に虚血性大腸炎を疑っていた症例が15例,腹痛のみで鑑別できていなかった症例が5例であった.虚血性大腸炎を疑った症例でエコー検査を第一に行ったのは8例で,経過観察を含めて(全体として)12例に行っていた.その他は,第一選択にCTは5例,内視鏡は2例施行していた.全体としてCTは7例,内視鏡は11例行っていた.また虚血性大腸炎を鑑別できなかった5例では,第一選択として,エコー2例,CT1例,内視鏡2例施行され,全体としてエコー4例,CT2例,内視鏡を5例に施行していた.【考察】当施設で4年間に虚血性大腸炎を診断した約100例では,エコー検査を最初に行ったのは約30%,経過観察もあわせて40%に施行であったが,今回は第一選択として50%,全体で約70%に施行されていた.一方で,全体として88%に施行されていた腹部CTは,今回は約40%と半減していた.今後も虚血性大腸炎の診断,フォローアップに,当施設のような一般病院でも簡便かつ低侵襲である腹部エコー検査が広がっていくことが期待される.
索引用語