セッション情報 ポスター

大腸炎1

タイトル P-014:

壊疽性虫垂炎関連因子についての検討

演者 石塚 満(獨協医科大学第二外科)
共同演者 清水 崇行(獨協医科大学第二外科), 窪田 敬一(獨協医科大学第二外科)
抄録 【背景】壊疽性虫垂炎は容易に穿孔を生じ腹膜炎に至るため,手術の絶対的適応であると考えられる.同様に虫垂炎の重症度はその炎症の強度と相関すると考えられる.【目的】壊疽性虫垂炎に最も関連した術前臨床背景因子の検討を行うこと.【対象,方法】2000年1月から2009年12月までの間に,急性虫垂炎の診断にて当科で開腹手術を施行した症例の中で,解析に十分な術前データを有する222症例を用いた.壊疽性虫垂炎症例と臨床背景因子との関連は単,多変量解析を用いて行った.炎症関連因子としては血清アルブミンとC-reactive protein(CRP),これらの組み合わせからなるGlasgow Prognostic Score(GPS)そして,neutrophil to lymphocyte ratio(NLR)を検討項目に加えた.【結果】臨床背景因子として,年齢(=<40/>40),性別(女/男),body mass index,熱発(=<40/>40℃),手術までの時間(=<1/>1day),白血球数,好中球数,血小板数,CRP値,アルブミン値,GPS(0,1/2),NLR(=<8/>8)を用いた単変量解析では壊疽性虫垂炎に関連する因子として,年齢(=<40/>40),性別(女/男),熱発(=<40/>40℃),CRP値,GPS,NLRが選出された.これらの因子を用いた多変量解析の結果,壊疽性虫垂炎関連因子として年齢(=<40/>40)(odds ratio,3.435;95% C.I., 1.744-6.766;P<0.001)とNLR(=<8/>8)(odds ratio,3.016;95% C.I., 5.926-6.786;P=0.001)が選出され,これら2因子の感度と特異度はそれぞれ65%と27%そして73%と39%であった.【考察】NLR高値(>8)は虫垂炎の重症度を最もよく反映すると考えられた.【結語】術前NLR高値(>8)は壊疽性虫垂炎を診断するうえで重要な因子であった.
索引用語