セッション情報 |
ポスター
大腸炎1
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タイトル |
P-015:大腸憩室症患者における嵌頓便の細菌叢検討
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演者 |
渡辺 心(順天堂大学救急災害医学研究室) |
共同演者 |
吉田 範敏(浅草病院外科), 渡野邉 郁雄(浅草病院外科), 丸山 俊朗(浅草病院外科), 井原 厚(浅草病院外科), 小林 弘幸(順天堂大学総合診療科) |
抄録 |
【目的】大腸内視鏡検査時,長期間にわたり憩室にはまり込んだ形跡のある便(嵌頓便)が頻繁に認められる.嵌頓便は通常便と硬度や所見が異なり,特徴のある細菌叢を構成することが予想される.そこで今回T-RFLP法を用いて,嵌頓便と健常人のデータを比較することとした.また同患者の嵌頓便と通常便も比較した.【方法】健常人28例平均66.5歳(I群),憩室症(嵌頓便:CF時採取)15例平均70歳(II群),憩室症(通常便)13例平均69歳(III群)を対象とし,解析はT-RFLP法により得られた29個のOTU(operational-taxonomic-unit)に分類し三群のOTUの構成比率を用いて以下の解析を実施した.I群とII群間でクラスター解析を実施した.I群とII群で判別分析を実施し,正準判別関係係数を算出した.この正準判別関係係数を用いてI~III群における判別得点をそれぞれ算出し,一元分散解析で三群間の有意差を判定した.三群間の各OTU毎に一元分散解析を実施し,三群間の有意差に影響を与えるOTUを特定した.解析ソフトはSPSS(IBM Statistics 20.0)を使用した.【結果】三つのクラスターに分類することができ,一つのクラスターで26例中14例にII群が集中して分布し,残りの二つのクラスターでは17例中16例にI群が集中して分布する傾向がみられたため,I群とII群では異なる菌叢であることが示唆された.III群の判別得点はI群と有意に異なり(p<0.01),II群と近いスコアとなったことから,I群とII,III群は異なる菌叢で,II群とIII群は類似した菌叢であることが示唆された.I群と比較しII,III群でOTU657(Lactobacillales)の上昇傾向,OTU955(Clostridium subcluster XIVa)の低下傾向がみられた.【結論】大腸憩室症患者の菌叢は健常人と異なる傾向が見られ,各OTUを比較したところOTU657,OTU955で差が生じており,これらのOTUのバランスが腸内細菌叢の乱れを生じさせ,結果として憩室炎の発症につながる可能性があることが示唆された. |
索引用語 |
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