セッション情報 ポスター

大腸炎1

タイトル P-018:

当院における虚血性大腸炎症例の検討

演者 戸田 万生良(関西労災病院消化器内科)
共同演者 萩原 秀紀(関西労災病院消化器内科), 土居 哲(関西労災病院消化器内科), 吉水 祥一(関西労災病院消化器内科), 嶋吉 章紀(関西労災病院消化器内科), 板倉 史晃(関西労災病院消化器内科), 阿部 佳奈子(関西労災病院消化器内科), 小豆澤 秀人(関西労災病院消化器内科), 中村 剛之(関西労災病院消化器内科), 柄川 悟志(関西労災病院消化器内科), 糸瀬 一陽(関西労災病院消化器内科), 牧野 仁(関西労災病院消化器内科), 望月 圭(関西労災病院消化器内科), 伊藤 善基(関西労災病院消化器内科), 林 紀夫(関西労災病院消化器内科)
抄録 【目的】虚血性腸炎は比較的頻度の高い疾患で,血管側および腸管側の因子によって発症すると考えられている.当院において虚血性大腸炎と診断された症例の臨床像を検討した.【方法】対象は2007年1月から2011年12月までに虚血性大腸炎と診断され当科で入院加療を行った88例.男性27例,女性61例で,年齢は37-88歳(平均68歳).年齢を10歳毎で群別し検討を行った.【結果】60歳未満は19例,60-69歳は22例,70-79歳は39例,80歳以上は8例であり,70歳代が最も多かった.全例一過性型で狭窄型や壊死型は認めなかった.基礎疾患を42例で認め,内訳は高血圧19例,脂質代謝異常9例,糖尿病9例,虚血性心疾患8例,慢性腎不全8例,脳血管障害4例などであったが,年齢群別では基礎疾患の頻度に有意な差を認めなかった.抗凝固・抗血小板薬は20例で投与されており,低用量アスピリンが17例,複数薬投与例も8例認められたが,年齢群別での投与頻度に有意な差は認めなかった.輸血を要したのは,2例のみでいずれも慢性腎不全症例であった.病変部位は盲腸から横行結腸2例,横行結腸のみ3例,横行から下行結腸3例,横行からS状結腸5例,下行結腸のみ19例,下行からS状結腸30例,下行結腸から直腸2例,S状結腸のみ18例,S状結腸から直腸5例,直腸のみ1例であり,従来の報告通り下行結腸からS状結腸が主であった.年齢群別にみると,直腸に病変を認める頻度は60歳未満で1例(5%),60-69歳は1例(5%),70-79歳は2例(5%)であったのに対し,80歳以上は4例(50%)と80歳以上の群で有意に高率であった.右側結腸に病変を認めた2例はいずれも慢性腎不全症例であった.再発を認めたのは1例のみで,基礎疾患を有さない68歳女性であった.【結論】80歳以上では直腸に病変を認める頻度が高率であり,慢性腎不全合併例では右側結腸に病変を認める例が存在した.
索引用語