セッション情報 | ポスター大腸炎2 |
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タイトル | P-022:当院での過去3年間における大腸菌感染における大腸内視鏡像の検討 |
演者 | 津田 朋広(西神戸医療センター消化器内科) |
共同演者 | 吉田 裕幸(西神戸医療センター消化器内科), 沖重 有香(西神戸医療センター消化器内科), 荒木 理(西神戸医療センター消化器内科), 村上 坤太郎(西神戸医療センター消化器内科), 佐々木 綾香(西神戸医療センター消化器内科), 安達 神奈(西神戸医療センター消化器内科), 島田 友香里(西神戸医療センター消化器内科), 林 幹人(西神戸医療センター消化器内科), 井谷 智尚(西神戸医療センター消化器内科), 三村 純(西神戸医療センター消化器内科), 山本 剛(西神戸医療センター臨床検査技術部) |
抄録 | 【はじめに】大腸菌は健康なヒトの大腸の正常細菌叢を構成する菌ではあるが,一部の大腸菌は下痢,腹痛,血便などの症状を引き起こし下痢原性大腸菌と呼ばれる.今回我々は当院にて過去3年間に便培養検査にて大腸菌を認め,同時期に下部消化管内視鏡検査を施行した症例の検討を行った. 【対象】2009年1月~2011年12月までの間に,便培養検査にて大腸菌を検出した449例のうち,下部消化管内視鏡検査にて炎症所見を認めた58例. 【検討項目】基礎疾患,抗原の種類,内視鏡所見,治療法などについて検討した. 【結果】男性25例,女性33例の計58例.平均年齢は51.4歳(15~87歳).大腸菌の抗原はO-1が15例で最多であった.症状としては35例に下痢・腹痛症状を認め,23例に粘血便を認めた.58例中28例は潰瘍性大腸炎もしくはクローン病を有していた.内視鏡像としては,左側病変部を優位に認めたが,潰瘍性大腸炎・クローン病を除く症例では潰瘍性大腸炎・クローン病の症例と比較し,右側病変を多くに認めた.治療法はレボフロキサシンが最も多く使用されていた.経過として56例は軽快したが,この内1例は終末回腸の潰瘍部からの出血を繰り返し手術を施行された.軽快しなかった2例は大腸癌術後化学療法中であった1例と大腸癌手術後に直腸膀胱瘻から感染を引き起こした1例であり,いずれも敗血症等を合併し死亡している. 【結語】大腸菌感染は臨床上遭遇することの多い疾患であり,多数は自然治癒するが,重症例に至ることもあり注意が必要であると考える. |
索引用語 |