セッション情報 ポスター

大腸炎2

タイトル P-024:

当院におけるcollagenous colitisの臨床的検討

演者 柳本 研一郎(愛知医科大学消化器内科)
共同演者 小笠原 尚高(愛知医科大学消化器内科), 佐々木 誠人(愛知医科大学消化器内科), 水野 真理(愛知医科大学消化器内科), 河村 直彦(愛知医科大学消化器内科), 土方 康孝(愛知医科大学消化器内科), 増井 竜太(愛知医科大学消化器内科), 徳留 健太郎(愛知医科大学消化器内科), 井澤 晋也(愛知医科大学消化器内科), 近藤 好博(愛知医科大学消化器内科), 伊藤 義紹(愛知医科大学消化器内科), 田村 泰弘(愛知医科大学消化器内科), 野田 久嗣(愛知医科大学消化器内科), 田邉 敦資(愛知医科大学消化器内科), 高田 真由子(愛知医科大学消化器内科), 小松原 利典(愛知医科大学消化器内科), 新村 哲也(愛知医科大学消化器内科), 飯田 章人(愛知医科大学消化器内科), 舟木 康(愛知医科大学消化器内科), 春日井 邦夫(愛知医科大学消化器内科)
抄録 【目的】Collagenous colitis(CC)は慢性の水様性下痢を主訴とし,大腸粘膜上皮直下に特徴的なcollagen bandの肥厚を認める疾患であり,近年,慢性下痢の鑑別診断上重要な疾患として位置づけられている.内視鏡所見や原因薬剤との関連性に関する報告が増加しているが,特にプロトンポンプ阻害剤(PPI)によって惹起されたと推察されるCCの報告が多い.今回我々は,CCの臨床的特徴,内視鏡的所見の特徴,原因薬剤などについて検討した.【対象】平成21年4月から平成24年8月までに当院でCCと診断された7例を対象とした.【結果】男性3例(平均年齢70歳),女性4例(平均年齢57歳)で,7例全例がランソプラゾール(LPZ)を内服しており,うち2例は低用量アスピリン(LDA)を併用していた.内視鏡所見としては4例で全大腸に異常所見を認めず,3例で血管透見不良,線状潰瘍および瘢痕,粗造粘膜,小白斑,血管網増生などの異常所見を認めたが,大腸の部位に所見の差を認めなかった.また,collagen bandの肥厚の程度と生検部位や症状との相関は認めなかった.症状は全例で下痢を主訴とし,1例は血便を伴っていたが,症状の程度と内視鏡所見の有無や程度に相関は認めなかった.LPZ単独の5例とLDAを併用した2例では内視鏡的所見,症状の程度に関連はみられなかった.LPZ内服開始から症状発症までの期間は6例で2ヶ月以内であったが,1例は約5年内服後に発症した.全例,内服中止のみで1ヶ月以内に症状は改善した.【考察】今回,LPZの長期内服経過後にもCCを突如発症する症例が確認された.服薬や症状からCCを疑う場合は特徴的な内視鏡所見を認めない場合でも,部位に関係なく生検を行う事が診断に有用であると考えられた.
索引用語