セッション情報 | ポスター大腸 基礎 |
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タイトル | P-026:肥満・糖尿病・高血圧が大腸発癌に及ぼす影響―ACE阻害剤を用いた大腸発癌予防の可能性について― |
演者 | 河内 隆宏(岐阜大学消化器病態学) |
共同演者 | 寺倉 大志(岐阜大学消化器病態学), 馬場 厚(岐阜大学消化器病態学), 大野 智彦(岐阜大学消化器病態学), 久保田 全哉(岐阜大学消化器病態学), 白上 洋平(岐阜大学消化器病態学), 清水 雅仁(岐阜大学消化器病態学), 田中 卓二(東海細胞研究所), 森脇 久隆(岐阜大学消化器病態学) |
抄録 | 【目的】糖尿病や高血圧などの生活習慣病の原因となる肥満は,大腸癌の危険因子である.一方,肥満や糖尿病を伴わない高血圧そのものが大腸発癌を促進するかどうかは,十分に検討されていない.今回我々は,高血圧を自然発症するSHRSPラットと,高血圧に肥満・糖尿病を合併するSHRSP.Z-Leprfa/IzmDmcr(SHRSP-ZF)ラットを用いて,高血圧単独および肥満・糖尿病合併高血圧が大腸発癌に及ぼす影響と,ACE阻害剤(captopril)の肥満・糖尿病・高血圧関連大腸発癌に対する抑制効果について検討した.【方法】雄SHRSP,SHRSP-ZFおよびWKY/Izmラット(非肥満・正常血圧対照群)に,azoxymethane(AOM)を7,8週齢時に腹腔内投与(20mg/kg)し,大腸前癌病変(aberrant crypt foci:ACF)を誘発した.SHRSP-ZF群には,AOM投与終了1週後よりcaptopril(8mg/kg/day)を飲水投与し,同剤がACFを抑制するか検討した.【結果】対照群と比較しSHRSP群,SHRSP-ZF群ともに血圧の上昇を認めたが,肥満,インスリン抵抗性,血清脂質異常,血清アディポカイン異常はSHRSP-ZF群にのみ認めた.また,SHRSP群とSHRSP-ZF群ともに対照群と比較し,酸化ストレスの亢進,炎症状態およびACFの有意な増加(対照群:1.2±0.5個/cm2,SHRSP群:2.8±1.2個/cm2,SHRSP-ZF群:2.8±1.1個/cm2)を認めた.一方,captoprilの投与により,高血圧,酸化ストレス,炎症状態は改善され,ACFの発生は有意に抑制された.(AOM群:1.2±0.3個/cm2)【結語】肥満・糖尿病を発症しない高血圧単独のSHRSPラットにおいても,高血圧に肥満・糖尿病を合併するSHRSP-ZFラットと同様に,AOMの投与によってACF発生の促進を認めたが,その機序として酸化ストレスの亢進と大腸粘膜の炎症誘導が考えられた.また,captoprilは高血圧によって惹起されたこれらの病態を改善・制御することで,ACFの発生を抑制した可能性が示唆された. |
索引用語 |