セッション情報 ポスター

大腸 基礎

タイトル P-029:

Vitamin Kが消化管粘膜炎症に与える影響について

演者 白石 衣里(大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学)
共同演者 飯島 英樹(大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学), 川井 翔一朗(大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学), 日山 智史(大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学), 向井 章(大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学), 井上 隆弘(大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学), 新崎 信一郎(大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学), 辻井 正彦(大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学), 竹原 徹郎(大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学)
抄録 [目的]炎症性腸疾患患者は,健常者と比較して骨密度が低下している者の割合が高い.一般的に骨密度低下の原因として,ステロイドの使用やエストロゲンの欠乏,加齢,生活習慣病,Vitamin Kの欠乏などがある.これまで我々は,クローン病患者はVitamin K不足の指標である低カルボキシル化オステオカルシン(ucOC)が高値を呈する患者が多く,ucOCは疾患活動性と正の相関関係にあることを報告してきた.Vitamin Kが免疫系を介して,肝障害を抑制するという報告があるが,Vitamin Kと消化管粘膜免疫の関連についての報告はない.そこで,Vitamin Kが消化管粘膜炎症に与える影響を検討した.[方法]C57BL6/Jマウス脾細胞をin vitroでLPS存在下にVitamin K(100μM)を非添加・添加にて培養し,IL-6・TNF-αの産生をRT-PCR法にて比較した.また,8週齢の雄性C57BL6/JマウスをVitamin Kを非含有飼料と,Vitamin Kを75 mg/kg含有する飼料の2群にわけて飼育し,7日間DSSを経口投与し,体重の変化,大腸の腸管長,大腸粘膜の病理スコア,および粘膜固有層単核球のIL-6などのサイトカイン発現をELISA法にて比較した.[結果]脾細胞へのVitamin K添加によりIL-6産生が有意に抑制されたが,TNF-αの産生は有意な変化を認めなかった.Vitamin K含有飼料投与群の粘膜固有層単核球のIL-6産生は,Vitamin K非含有飼料投与群と比較して有意に低値であった.体重変化,大腸の腸管長にはVitamin K含有,非含有飼料投与群で有意差は認めなかったが,大腸粘膜の病理スコアはVitamin K含有飼料投与群において非含有飼料投与群に比して有意に炎症が軽度であった.[結論]Vitamin Kは,消化管粘膜免疫においてIL-6の産生を抑制し,DSS腸炎の炎症を軽減することが明らかとなった.
索引用語