セッション情報 ポスター

食道 他

タイトル P-033:

当院におけるESDを施行したBarrett腺癌の4症例

演者 渡邊 聡(佐賀県立病院好生館消化器内科)
共同演者 田中 雄一郎(佐賀県立病院好生館消化器内科), 冨永 直之(佐賀県立病院好生館消化器内科), 緒方 伸一(佐賀県立病院好生館消化器内科), 梶原 哲郎(佐賀県立病院好生館放射線科)
抄録 【目的】本邦では欧米に比してBarrett腺癌の頻度は少ないが,今後増加することが予想されている.当院でESDを施行したBarrett腺癌に関し検討した.【対象】2008年から2011年までにESDを施行したBarrett腺癌4症例を対象とした.【結果】平均年齢77.25歳(68-87歳).性別は全て男性.発見契機は当科経過観察中1例,他院からの紹介3例.LSBE1例,SSBE3例.病型分類は0-IIaが1例,0-IIa+IIcが2例,0-IIcが1例.局在は0-3時が1例,0-6時が1例,3-6時が1例,3-9時が1例で全例右側にかかっていた.病変サイズは平均35.25mm(8-70mm)で20mm未満が2例であった.深達度はLPM:1例,SM1:2例,SM3:1例.2例は一括切除,pHM1:1例,pVM1:1例.pHM1例は追加ESDを施行.pVM1例(SM3)はly2,v1であった.SM症例に関してはいずれも手術は勧めたが高齢や本人の希望などの理由で追加外科手術はされていない.幸いにして現在までの所再発は認められていない.LPM症例はESD後経過観察中に異時多発再発があり外科的に食道抜去術を施行.pHM1例に関してはマーキング時の観察をNBI拡大観察で行ったが,見直してみると酢酸+インジゴカルミン散布のほうが病変の範囲の認識が容易であった.【結論】Barrett腺癌は今後増加が予想される.早期発見・早期治療が重要であるが,早期発見が困難な場合もある.当院でのESD症例でも他院からの紹介例は3例とも深達度SM以深であった.早期発見のためにはバレット食道の症例に対しては注意深い観察とともに,病変認識が困難であることを理解した上で,わずかな異常でも生検を行うことが望ましいと考える.
索引用語