セッション情報 ポスター

食道 他

タイトル P-034:

当院で経験されたBarrett食道腺癌8症例の検討

演者 越川 頼光(京都桂病院消化器センター消化器内科)
共同演者 平田 大善(京都桂病院消化器センター消化器内科), 大岩 容子(京都桂病院消化器センター消化器内科), 冨田 友実(京都桂病院消化器センター消化器内科), 糸川 芳男(京都桂病院消化器センター消化器内科), 田中 秀行(京都桂病院消化器センター消化器内科), 後藤 規弘(京都桂病院消化器センター消化器内科), 山口 大介(京都桂病院消化器センター消化器内科), 田中 泰敬(京都桂病院消化器センター消化器内科), 臼井 智彦(京都桂病院消化器センター消化器内科), 中井 喜貴(京都桂病院消化器センター消化器内科), 藤井 茂彦(京都桂病院消化器センター消化器内科), 畦地 英全(京都桂病院消化器センター消化器内科), 日下 利広(京都桂病院消化器センター消化器内科), 國立 裕之(京都桂病院消化器センター消化器内科), 安原 裕美子(京都桂病院病理診断科)
抄録 【背景・目的】Barrett食道腺癌は今後日本人のHelicobacter Pylori感染症の低下とともに,増加すると言われているが,その治療方法は確立されたものはなく,内視鏡治療の適応も決まったものはない.またSSBEに発生した癌とLSBEに発生した癌の違いも未だ不明である.それぞれの内視鏡所見の特徴,病理学的特徴につき検討した.【対象・方法】2007年1月~2012年9月までの間に当院で内視鏡的にBarrett上皮の有無が確認され,それに連続して存在し,内視鏡治療もしくは手術治療をおこなったBarrett食道腺癌8例8病変(m癌3例,sm1癌2例,sm2癌1例,進行癌2例)を対象とし,内視鏡所見を中心に,臨床病理学的に検討した.【結果】8例中SSBEが背景であった病変が6例(m癌2例,sm癌3例,進行癌1例),LSBEが背景であった症例は2例(m癌1例,進行癌1例)であった.SSBEが背景であった症例では6例中5例が11時から2時の方向に病変の主座が存在し,4例が分化型で2例が混在型であった.LSBEが背景であった症例では2例とも病変の主座が5時から6時に存在し,1例が分化型,もう1例は混在型であった.表在型癌の内視鏡による深達度診断は6例中1例が浅読みで,1例は深読みで正診率は67%であった.【考察】今回の検討では33%で術前の深達度診断が誤っており,Barrett食道腺癌の内視鏡的深達度診断の困難さが示唆された.また症例数が少ないが,SSBEを背景とした症例では11時から2時方向,LSBEでは5時から6時方向に病変の主座が見られ,それぞれの好発部位に着目してサーベイランスを行う必要性があると考えられた.
索引用語