セッション情報 ポスター

食道 他

タイトル P-036:

当院で経験した食道穿破を来たした結核性リンパ節炎の3例

演者 子日 克宣(独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター消化器科)
共同演者 渡邉 典子(独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター消化器科), 竹内 圭介(独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター消化器科), 亀井 昭(独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター消化器科), 長谷川 浩司(独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター消化器科)
抄録 成人発症の結核性縦隔リンパ節炎は小児に比べ比較的少ないと考えられている.その主な合併症は,食道や気管,大動脈などの近接臓器への病変の進展による瘻孔形成であるが,症状に乏しく診断に苦慮することがある,とされている.今回我々は,食道穿破を来たした結核性縦隔リンパ節炎を3例経験したので報告する.【症例1】41歳女性【主訴】発熱【現病歴】発熱持続のため,精査目的にて近医入院.肝生検にて粟粒結核と診断され当院転院.【経過】抗結核薬にて加療開始.喀痰から排菌はなく,外来加療となる.治療開始6ヵ月後に背部痛出現.CT検査で結核性リンパ節炎による腹部仮性動脈瘤指摘され,胸部外科入院.入院後7日目に吐血認め,上部消化管内視鏡検査施行.食道下部に裂傷認め,大動脈瘤の食道穿破と考えた.大動脈瘤に対してステントグラフト挿入.腸瘻造設施行し,経管栄養開始.大動脈瘤治療1年後瘻孔閉鎖を確認.経口摂取可能となり,現在も抗結核薬投与継続中.【症例2】19歳男性【主訴】胸痛【現病歴】胸痛認め,近医受診.CTにて縦隔腫瘍認め,精査目的に当院胸部外科紹介.【経過】超音波気管支鏡ガイド下針生検にてガフキー陽性認め,結核性リンパ節炎と診断.抗結核薬での加療開始.治療開始2週間後のCT検査にて縦隔にfree air認め,上部消化管内視鏡検査施行.中部食道に裂傷,瘻孔を確認.胃瘻造設施行し,経管栄養開始.現在,抗結核薬投与継続中.【症例3】23歳男性【主訴】腹痛【現病歴】1ヶ月前より持続する腹痛の増悪のため,当院受診.CTにて腹腔内膿瘍認め,入院.【経過】腹腔内膿瘍に対してCTガイド下にてドレナージチューブ挿入.膿瘍部排液からPCR陽性認め,結核性リンパ節炎と診断.胸部CTにて縦隔リンパ節腫大,free air認め,上部消化管内視鏡検査施行.中部食道に裂傷,瘻孔を確認した.腸管穿孔による腹腔内膿瘍も認めるため,中心静脈栄養,静脈的に抗結核薬投与での治療開始し,現在も継続中である.
索引用語