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膵臓 他

タイトル P-041:

膵性糖尿病におけるアディポネクチン測定の意義―2型糖尿病との比較から―

演者 今 昭人(青森県立中央病院内分泌内科)
共同演者 丹藤 雄介(弘前大学医学部内分泌代謝内科), 柳町 幸(弘前大学医学部内分泌代謝内科), 田中 光(弘前大学医学部内分泌代謝内科), 松本 敦史(弘前大学医学部内分泌代謝内科), 佐藤 江里(弘前大学医学部内分泌代謝内科), 長谷川 範幸(国保板柳中央病院内科), 小川 吉司(青森県立中央病院内分泌内科), 中村 光男(弘前大学医学部保健学科病因・病態検査学)
抄録 【目的】血中アディポネクチン濃度は,メタボリックシンドロームや2型糖尿病と深い関わりがあることが明らかになっている.2型糖尿病患者では,血中アディポネクチンが低いほど肥満やインスリン抵抗性との関連が大きいことが報告されているが,膵性糖尿病と血中アディポネクチンとの関連については明らかになっていない.今回われわれは,消化酵素補充療法中の膵性糖尿病患者のアディポネクチン濃度を測定し,栄養指標も含め,2型糖尿病と比較した.【方法】対象は,消化酵素補充療法およびインスリン療法施行中の膵性糖尿病患者【PD群】11例[男性6例,女性5例,平均年齢71.5±10.5歳,罹病期間13.2±7.8年,2型糖尿病患者【DM群】37例[男性20例,女性17例,平均年齢58.1±11.9歳,罹病期間10.3±7.6年)]である.両群に採血を行い,高分子アディポネクチン濃度(high molecular weight adiponectin:HMW)を測定し,両群間で栄養指標[BMI(body mass index),血清アルブミン,血清総コレステロール]およびHMWの比較を行った.【成績】栄養指標に関しては,BMIはPD群21.9±3.7kg/m2,DM群31.2±6.0kg/m2と,DM群で有意に高かった.血清アルブミンはPD群3.9±0.4(g/dl),DM群4.2±0.4(g/dl),血清総コレステロールはPD群176.8±54.3(g/dl),DM群190.5±43.0(g/dl)と,いずれも両群間で有意差を認めなかった.HMWに関しては,PD群4.9±4.3μg/ml,DM群1.9±1.2μg/mlと,DM群で有意に低値であった.【結論】PD群では,消化酵素補充療法によって,DM群と差のない栄養状態を呈していた.一方,DM群に比べPD群でBMIが低くHMWが高値であったことは,通常の2型糖尿病に比べ肥満やインスリン抵抗性との関連が少ないという,膵性糖尿病の特徴を示している.
索引用語