セッション情報 ポスター

膵臓 他

タイトル P-045:

アルコール性慢性膵炎におけるアミノ酸代謝異常と成分栄養剤の効果に関する検討

演者 川口 義明(東海大学消化器内科)
共同演者 小川 真実(東海大学消化器内科), 高橋 美香(東海大学消化器内科), 仁品 玲子(東海大学消化器内科), 丸野 敦子(東海大学消化器内科), 峯 徹哉(東海大学消化器内科)
抄録 【目的】慢性膵炎患者とコントロール健常者における血漿アミノ酸値を測定し,外分泌機能との関連,さらに成分栄養剤の効果に関して検討することを目的とした.【対象と方法】アルコール性慢性膵炎患者(CP)39例(膵外分泌機能正常群28例,低下群11例),コントロール健常群20例を対象とした.BMI,アルブミン値,HbA1c,各種アミノ酸に関して測定,3郡を比較検討した.さらに成分栄養剤エレンタールを膵外分泌機能低下群6例に2ヶ月間投与し,投与前後で各種栄養パラメーターを測定し,その効果を検討した.【結果】3群間で性別,平均年齢に有意差なし.総血漿アミノ酸値は,CP正常群,低下群に比較して健常群で有意に高値(P=0.032,P=0.020).CP低下群では,血清histidine,methionine濃度が,健常群,CP正常群と比較して有意に低下(histidine:P=0.033,P=0.045,methionine:P=0.044,P=0.049).一方血清glutamate濃度は,CP正常群,低下群において,健常群と比較して有意に上昇(P=0.037,P=0.030).成分栄養剤の効果に関しては,総血漿アミノ酸値は,投与前と比較して投与後で有意に上昇(P=0.031).血清histidine,methionine濃度は,成分栄養剤投与前と比較して投与後で有意に上昇(histidine:P=0.015,methionine:P=0.017).血清glutamate濃度は,成分栄養剤投与前と比較して投与後で有意に低下(P=0.025).アミノ酸のインバランスは成分栄養剤投与により是正された.【結論】慢性膵炎患者では,特に膵外分泌機能低下群において,histidine,methionine,glutamateといったいくつかのアミノ酸濃度の変化が認められ,これらのアミノ酸不均衡は膵外分泌機能と関連しており,成分栄養剤によって改善するものと考えられた.
索引用語