セッション情報 | ポスター大腸 IBD 1 |
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タイトル | P-048:インフリキシマブ二次無効後の増量投与における経過と有効性 |
演者 | 合阪 暁(東京女子医科大学消化器病センター内科) |
共同演者 | 飯塚 文瑛(東京女子医科大学消化器病センター内科), 高橋 麻依(東京女子医科大学消化器病センター内科), 伊藤 亜由美(東京女子医科大学消化器病センター内科), 大森 鉄平(東京女子医科大学消化器病センター内科), 米沢 麻利亜(東京女子医科大学消化器病センター内科), 白鳥 敬子(東京女子医科大学消化器病センター内科) |
抄録 | 目的:クローン病(CD)における長期寛解維持においてインフリキシマブ(IFX)は寛解導入・維持に高い効果を示すが,長期投与での二次無効例が問題となっている.今回我々はIFX二次無効例にIFX増量投与がどの程度有効かを検証するため増量後の経過と有効性について検討した.方法:当院で2012年8月までにIFX5mg/kg以上の増量投与を行ったCD症例を対象としその経過をCDAI,CRP,内視鏡所見で評価し増量後の有効性について検討した.結果:当院でIFX維持投与を行ったCD110症例のうち増量投与例は18例で,増量理由としては維持投与期間より早期に腹痛の出現や便回数の増加などCDAIの悪化を示すもの,症状はないがCRPが陰性化しないものに対して積極的に行われていた.増量投与例ではIFX増量前後で比較するとCRP:1.71±1.9→0.52±0.9(P<0.05),CDAI:225±84→94±42(P<0.01)と有意差を認めた.増量群をさらに,(a):IFX7-8mg/kg増量群(6例)と(b):IFX10mg/kg増量群(12例)とに分けて検討したところ,(a)群においてCRP:1.58±2.6→0.15±0.3(P=0.28),CDAI:195±95→82.5±32(p<0.01),(b)群においてCRP:2.04±1.7→0.74±1.1(P=0.04),CDAI:224±85→99±49(p<0.001)であった.増量投与後の経過については,(b)群において免疫調整剤を追加投与した症例が2例,期間短縮となった症例が2例,アダリムマブ(ADA)へ切り替えた症例が1例,副作用を認めIFX5mg/kgの期間短縮へ切り替えた症例が1例であった.また(a)群においては,副作用でADAへ切り替えを行った1例のみであった.結論:CD患者におけるIFX増量投与は二次無効に対して有効な方法となり,CRPとCDAIは増量後の効果判定として有用である.(a)群,(b)群ではCRPの改善に有意差がなく,CDAIについては(b)群においてより改善傾向が認められた.症例の中には臨床症状が出現してもCRP持続陰性であった例も存在しており今後増量投与における臨床的な指標をさらに検討する必要がある. |
索引用語 |