セッション情報 ポスター

大腸 IBD 1

タイトル P-049:

炎症性腸疾患に対するInfliximab投与中の肝機能障害の特徴について

演者 澁川 成弘(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科)
共同演者 阿部 友太朗(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 井上 貴功(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 大西 幸作(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 岩谷 修子(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 田畑 優貴(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 野崎 泰俊(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 井上 浩一(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 石井 修二(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 西山 範(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 入江 孝延(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 葛下 典由(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 春名 能通(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 井上 敦雄(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科)
抄録 【はじめに】我々は,Infliximab(IFX)投与により肝機能障害が改善したクローン病(CD)の症例を経験し報告した.また,炎症性腸疾患に対するIFX投与中の肝機能障害のパターンをType 1,2,3の3つのTypeに分類し報告した.【目的】観察期間の延長,症例数の増加により上記分類の妥当性を明らかにすること.【方法】2012年8月31日までに当科でIFX維持投与を行った19例を対象とし前向きの観察研究を行った.なお,IFX投与中止例については中止時点まで観察を行い,IFX導入以降でAST,ALT,ALP,γ-GTPのいずれかが基準値上限以上となったものを肝機能障害ありと定義した.【結果】1)患者背景:基礎疾患はCD16例,潰瘍性大腸炎(UC)3例であった.IFX導入時の平均年齢は34.4(17-70)歳であり,2012年8月31日現在での平均観察期間は2.6(0.3-5.2)年であった.全例HBs抗原,HCV抗体は陰性であった.2)肝機能障害の頻度:全体では68.4%(13/19),CDで62.5%(10/16),UCで100%(3/3)であった.3)肝機能障害のパターン:Type 1:IFX導入後速やかに基準値内まで改善するもの,Type 2:時折高値を示すも特に治療を要さず基準値内まで改善するもの,Type 3:急性肝障害を呈しIFX投与中止あるいは治療介入を要するものに分類すると,それぞれ2例,10例,1例であり,いずれにも分類されないものはなかった.Type 1はいずれもIFX開始後2週間で基準値内まで改善した.Type 2の肝機能障害の発症時期はIFX開始後最長で2.2年であった.Type 3はIFX開始10日目にAST/ALT 477/433 mg/dlまで上昇し,ウルソデオキシコール酸600mg/日投与により約1か月で基準値内まで改善した.【結論】炎症性腸疾患に対するIFX投与中の肝機能障害の特徴について,観察期間の延長,症例数の増加により検討したが,我々の分類は妥当であると考えられた.文献的考察を加え報告する.
索引用語