セッション情報 | ポスター大腸 IBD 1 |
---|---|
タイトル | P-050:炎症性腸疾患患者における成分栄養剤(エレンタール)併用大腸内視鏡検査前処置法の有用性 |
演者 | 荒井 吉則(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科) |
共同演者 | 加藤 智弘(東京慈恵会医科大学内視鏡科), 有廣 誠二(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科), 井出 大資(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科), 岩崎 哲良(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科), 板垣 宗徳(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科), 菰池 信彦(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科), 中尾 裕(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科), 高倉 一樹(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科), 猿田 雅之(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科), 松岡 美佳(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科), 田尻 久雄(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科) |
抄録 | 【目的】炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease,IBD)患者の増加により,大腸内視鏡検査の必要が高まっているものの,IBD患者では検査時の腸管洗浄度が不良のことが多く,多量の腸管洗浄剤を要することが多いため,前処置に対して苦痛を訴える患者は多い.また前処置自体でIBDを増悪させることもあり,病状に応じて適切な前処置法を選択する必要があり,未だIBDの適切な前処置法は確立しておらず,IBD前処置法の選択には難渋している.今回我々は,IBD患者に対して,成分栄養剤(エレンタール)を併用した大腸内視鏡検査のための前処置法の有用性について検討した.【方法】当院通院中のIBD患者28例を対象とし,検査前日に成分栄養剤(エレンタール)を1200ml内服し,就寝前にピコスルファートナトリウム75mgを内服とした.検査当日はpolyethylene glycol(PEG)1Lを服用し前処置を行い,腸管洗浄度と受容性,安全性を評価した.【成績】対象は潰瘍性大腸炎21例,クローン病7例(狭窄を伴う小腸大腸型2症例を含めて)であった.対象の90%の症例でエレンタール900~1200mlの内服が可能だった.従来法では全例が最低2000mLのPEG服用が必要だったのに対し,本法では1375±393mLの服用であり,有意にPEG服用量を減量できた(p<0.0001).大腸内視鏡観察に必要な良好な腸管洗浄が得られ,前処置に伴う有害事象も認められなかった.約80%の症例が従来の前処置に比べて楽になったと回答し,72%が次回も本前処置法を希望すると回答した.【結論】成分栄養剤であるエレンタールを併用した前処置法は,当日のPEGを有意に減量でき,良好な腸管洗浄度を得ることが出来る.また,被験者の受容性と安全性の点でも優れており,IBD患者に対する大腸内視鏡検査の有効な前処置法と考えられた. |
索引用語 |