セッション情報 ポスター

大腸 IBD 1

タイトル P-051:

Crohn病に対するAdalimumabの有効性の検討

演者 高嶋 志保(香川県立中央病院消化器内科)
共同演者 稲葉 知己(香川県立中央病院消化器内科), 水川 翔(香川県立中央病院消化器内科), 泉川 孝一(香川県立中央病院消化器内科), 石川 茂直(香川県立中央病院消化器内科), 田岡 伸朗(香川県立中央病院総合診療科), 三好 正嗣(香川県立中央病院消化器内科), 和唐 正樹(香川県立中央病院消化器内科), 河合 公三(香川県立中央病院消化器内科)
抄録 【目的】当院におけるCrohn病に対する完全ヒト型抗TNFαモノクローナル抗体製剤であるAdalimumab(ADA)の有効性を検討する.
【対象と方法】対象は,ADA投与開始24週後の評価が行えたCrohn病6例.年齢は32-54歳(中央値38.5歳),男女比4対2,罹病期間は2年9か月から34年(中央値10年),Crohn’s disease activity index(CDAI)は83-546(中央値297),CRPは0-10.1(中央値1.12),病型はすべて小腸大腸型であった.Infliximab(IFX)未使用(Bioナイーブ)が1例,IFX不耐が1例,IFX二次無効4例であった.併存治療として5-ASAを全例,アザチオプリン(AZA)を1例に投与していたが,ステロイド併用例はなかった.ADAは初回160mg,2回目80mg,3回目以降は40mgを2週間毎に皮下注射した.有効性の評価を4週時,8週時,24週時に行い,CDAI150未満を寛解,治療前と比較して70以上の低下を有効とし,他治療を加えた場合,CDAIが増悪した場合は無効とした.(1)ADA投与4週時,8週時,24週時における寛解率および有効率,(2)有効以上症例におけるCDAIとCRPの推移,(3)有害事象につき検討した.
【結果】(1)ADA投与4週時の寛解率は33%(2/6),有効率は83%(5/6)であり,8週時の寛解率は67%(4/6),有効率は83%(5/6)であった.8週時に有効であった1例がCDAI増悪して無効例となり14週で投与中止となった.24週時の寛解率は67%(4/6),有効率は83%(5/6)であった.(2)有効以上の症例におけるADA投与前,4週時,8週時,24週時のCDAI中央値は276,175,113,98,CRP中央値は,0.1,0.1,0.2,0.07であった.(3)特記すべき有害事象なく,無効例以外は投与継続中である.
【結論】Crohn病に対しADAは有効であり,臨床効果は緩徐に認められる.
索引用語