セッション情報 | ポスター大腸 IBD 2 |
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タイトル | P-055:潰瘍性大腸炎における早期のタクロリムス目標血中トラフ濃度到達の工夫 |
演者 | 安藤 祐資(大垣市民病院消化器内科) |
共同演者 | 熊田 卓(大垣市民病院消化器内科), 桐山 勢生(大垣市民病院消化器内科), 谷川 誠(大垣市民病院消化器内科), 久永 康宏(大垣市民病院消化器内科), 豊田 秀徳(大垣市民病院消化器内科), 金森 明(大垣市民病院消化器内科), 北畠 秀介(大垣市民病院消化器内科), 多田 俊史(大垣市民病院消化器内科), 新家 卓郎(大垣市民病院消化器内科), 長谷川 綾平(大垣市民病院消化器内科), 伊藤 隆徳(大垣市民病院消化器内科), 山本 健太(大垣市民病院消化器内科), 田中 達也(大垣市民病院消化器内科), 曽根 康博(大垣市民病院放射線科) |
抄録 | 【目的】タクロリムスは2009年に経口投与が保険承認され,難治性潰瘍性大腸炎(UC)に対する寛解導入効果などに有効性が実証された薬剤である.タクロリムスはトラフ値依存性に有効性を認めるため,十分な効果を得るには至適濃度に達することが必要である.しかし,添付文書に記載されている初期投与量や用量調整法では開始後早期の至適トラフ値達成はやや困難である.今回難治性UCに対する早期のタクロリムス目標血中トラフ濃度到達の工夫をしたので報告する.【方法】対象は当科でタクロリムスが投与されたUC(中等症~重症)16症例のうち,当科のスケジュール決定後に投与された6症例である.年齢は47歳(27歳~55歳),病脳期間は0~13年,初発1例,再発5例,病変範囲では全大腸炎型2例,左側大腸炎型4例,重症度は中等症4例,重症2例,ステロイド抵抗・依存ありが5例,なしが1例,内服開始時の経口摂取は全例ありであった.併用治療は,PSLは5例,5ASAは以前肝障害が出た症例を除く5例,AZAは2例,G-CAPは1例であった.タクロリムス初期投与量は0.06mg/kg/回と設定し,投与翌日から目標トラフ値(10~15ng/ml)に達するまで連日採血を行い,結果がわかり次第用量調節を行うスケジュールとした.これらの症例のトラフ濃度について後期II相試験の結果と比較し,副作用についても検討した.【結果】後期第II相試験では投与9日後頃に目標トラフ濃度に到達していたが,当科のスケジュールではトラフ濃度は投与開始翌日で5.8ng/ml,5日目に11.4ng/mlと目標トラフ濃度に達することができた.副作用は振戦を2例,耐糖能異常を1例,低Mg血症は全例に認めたがいずれも軽症であった.【結論】UCに対してタクロリムスの当科のスケジュールにより後期第II相試験と比較して早期に目標トラフ濃度に達することができた. |
索引用語 |