セッション情報 ポスター

大腸 IBD 3

タイトル P-057:

当院の潰瘍性大腸炎症例におけるintensive CAP療法の検討

演者 白戸 泉(東京女子医科大学八千代医療センター消化器内科)
共同演者 西野 隆義(東京女子医科大学八千代医療センター消化器内科), 光永 篤(東京女子医科大学八千代医療センター内視鏡科)
抄録 【目的】2010年4月から潰瘍性大腸炎(UC)に対して週1回の施行であった顆粒球吸着療法(G-CAP)の週における制限がなくなった.今回,intensive CAPが寛解導入への有効な手段となり得たか当院で経験した8例を検討した.【方法】対象は2010年1月~2012年2月に当院で施行したG-CAP施行症例9例のうち,週2回以上で開始した8例とした.週2回が4例,週3回が4例であった.臨床症状の軽快とともに施行間隔を週1回とし,1例の無効例を除きそれぞれ計10回施行した.検討内容は寛解導入率,寛解導入に至るまでの期間(回数,日にち),ステロイド量,施行前後の内視鏡像とした.【結果】寛解率は全体で75%であり,寛解までの日数は15日,回数は4.8回であった.重症度(Lichtiger’s clinical activity index(CAI))別でみるとCAI6-12(4例)では100%,CAI13-16(4例)では50%だった.回数別では週2回(4例)では100%,週3回(4例)では50%であった.これは週3回例の方がCAIが高い傾向にあったためと考えられた.しかし,週3回例のうち寛解した2例においてはより重症にも関わらず週2回例よりも寛解に要する日数が短かった.ステロイド投与中であった6例においては施行前のプレドニン投与量の平均値は34.1 mgであったのが,10回終了時4.2 mgまで減少でき,最終的に5例でステロイドフリーにできた.CAP療法では治療効果が得られにくいとされる深掘れ潰瘍の合併は5例に認められたが,4例で軽快した.【結論】intensive CAP療法は潰瘍性大腸炎の重症及び重症に近い中等症例に対し寛解率75%,寛解までの平均日数15日であった.非常に少ない経験であるが,週3回例がより早期の寛解導入に期待がもてた.今後の症例の蓄積が必要であると考えられる.
索引用語