セッション情報 | ポスター大腸 IBD 3 |
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タイトル | P-058:白血球除去療法により寛解導入された潰瘍性大腸炎症例の予後 |
演者 | 吉岡 篤史(青梅市立総合病院消化器内科) |
共同演者 | 松本 有加(青梅市立総合病院消化器内科), 渡部 太郎(青梅市立総合病院消化器内科), 細谷 明徳(青梅市立総合病院消化器内科), 沼田 真理子(青梅市立総合病院消化器内科), 伊藤 ゆみ(青梅市立総合病院消化器内科), 濱野 耕靖(青梅市立総合病院消化器内科), 野口 修(青梅市立総合病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】炎症性腸疾患の症例は増加傾向にあり,当院にて白血球除去療法(LCAP)が実施される症例も増加している.生物学的製剤が用いられている近年,LCAPの有効性と予後を検証するため,当院において寛解導入した潰瘍性大腸炎(UC)症例の予後を後向きに検討した.【方法】2003年11月から2012年7月まで当院入院によりUCの急性期寛解導入を行った42人のべ49例について解析した.【結果】23例(47%)にLCAPが実施された.5例が週2回以上行うintensive LCAPであり,21例が計10回まで施行された.男女比は17:6,平均年齢は39歳,初回入院は13例であった.厚生省分類重症~激症はLCAP群5例(22%)vs非LCAP群2例(8%)であり,入院時Lichtiger Indexは10.48vs9.54(p<0.05)と有意差を認め,比較的重症例にLCAPが選択されていると考えられた.寛解導入において,メサラジンとの併用は22例(96%),ステロイド併用は19例(83%)であり,LCAP単独例はなかった.寛解導入例は22例(96%)vs24例(92%),免疫調節剤および生物学的製剤を用いずに寛解導入された症例は20例(87%)vs23例(88%)と差を認めなかった.寛解導入後の寛解維持におけるチオプリン製剤使用例は6例(26%)vs1例(4%)であり,インフリキシマブ使用例は両群1例ずつであった.長期予後で再入院となったのは2例(9%)vs5例(19%)であった.手術となった4例はいずれもLCAP群であり,2例はチオプリン不耐によってステロイド依存となったUCであり,2例はチオプリン製剤が使用されていた.再燃による手術が3例,発癌によるものは1例であり,寛解から手術までの平均期間は1226日であった.【結論】LCAPは比較的重症例に実施されていたが,寛解導入率に差は認めなかった.長期予後では手術例が多い傾向があり,寛解後の維持療法を充分行うことが重要であると思われた. |
索引用語 |