セッション情報 ポスター

大腸 IBD 3

タイトル P-060:

タクロリムスが不応であった難治性潰瘍性大腸炎に対するインフリキシマブ有効性の検討

演者 野村 収(順天堂大学医学部消化器内科)
共同演者 長田 太郎(順天堂大学医学部消化器内科), 澁谷 智義(順天堂大学医学部消化器内科), 坂本 直人(順天堂大学医学部消化器内科), 村上 敬(順天堂大学医学部消化器内科), 上山 浩也(順天堂大学医学部消化器内科), 立之 英明(順天堂大学医学部消化器内科), 松本 健史(順天堂大学医学部消化器内科), 永原 章仁(順天堂大学医学部消化器内科), 荻原 達雄(順天堂大学医学部消化器内科), 渡辺 純夫(順天堂大学医学部消化器内科)
抄録 【目的】近年,潰瘍性大腸炎(UC)に対しタクロリムスとインフリキシマブが保険承認され難治性UCに対する有用性が認められている.今回,難治性UCに対しタクロリムス先行投与例の経過と不応症例に対するインフリキシマブの効果について検討した.【方法】2010年1月から2012年5月までに当院で難治性UCに対しタクロリムスを導入した19症例を解析に用い,タクロリムス導入後の臨床所見(CAI),内視鏡所見(Matts Grade)を評価した.さらにタクロリムス不応症例にはインフリキシマブを投与し症例の背景,臨床経過について評価した.【結果】タクロリムス先行投与した19症例の患者背景は平均年齢:41.4歳(16-62),性別:男/女=9/10,平均罹病期間:9.2年(1-25),罹患範囲は全大腸炎型15例,左側大腸炎型4例であり,ステロイド抵抗11例,依存7例,不耐1例であった.投与後臨床症状の改善を認めた症例は16/19(84.2%)例であったが19症例のうち3例が腎機能低下や血小板減少により投与を中止している.症状の再燃を認めインフリキシマブの投与を行った症例は4症例で全例タクロリムス投与後3か月の内視鏡所見で粘膜治癒が得られていなかった(MG3-4).インフリキシマブを投与した4症例は全例臨床的寛解が得られ計画的維持療法に移行している.【結語】タクロリムス不応でインフリキシマブが奏功した4症例はタクロリムス投与で全例3か月以内に臨床的症状の改善が得られていたが内視鏡的粘膜治癒は得られていなかった.しかし,検討症例数も少なく観察期間も短いため今後更なる症例の蓄積および検討が必要と考えられた.
索引用語