セッション情報 | ポスター大腸 IBD 3 |
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タイトル | P-061:潰瘍性大腸炎に対する回腸肛門吻合術後の難治性吻合部合併症の検討 |
演者 | 長尾 宗紀(東北大学胃腸外科) |
共同演者 | 柴田 近(東北大学胃腸外科), 羽根田 祥(東北大学胃腸外科), 小川 仁(東北大学胃腸外科), 田中 直樹(東北大学胃腸外科), 工藤 克昌(東北大学胃腸外科), 佐々木 宏之(東北大学胃腸外科), 大沼 忍(東北大学胃腸外科), 森川 孝則(東北大学肝胆膵外科), 鹿郷 昌之(東北大学胃腸外科), 吉田 寛(東北大学肝胆膵外科), 元井 冬彦(東北大学肝胆膵外科), 内藤 剛(東北大学胃腸外科), 三浦 康(東北大学胃腸外科), 片寄 友(東北大学統合がん治療外科学), 海野 倫明(東北大学消化器外科学) |
抄録 | 【背景と目的】潰瘍性大腸炎に対しては,自然肛門を温存する大腸全摘・回腸肛門(管)吻合術が標準術式とされているが,吻合部に由来する難治性の合併症(狭窄や瘻孔等)も少なからず存在する.その結果当初は自然肛門を温存できたものの,難治性合併症のために経過中に永久人工肛門再造設を必要とした症例について,その頻度や臨床的特徴を検討した.【対象】1987年以降潰瘍性大腸炎にて回腸肛門(管)吻合術(分割手術)を施行した全手術症例308例のうち,手術終了後に難治性の瘻孔あるいは狭窄にて人工肛門再造設を施行し,その後も人工肛門を閉鎖できない追跡可能な8例(全体の2.6%)について検討した.【結果】対象症例は男性4例,女性4例.分割手術終了時平均年齢は32歳.人工肛門再造設時平均年齢は40歳.初回手術時の重症度は重症例が2例,中等症例4例,軽症例が2例.病変部位は全大腸炎型が6例,左側大腸炎型が1例,直腸炎が1例.待機手術が6例,緊急手術が2例.潰瘍性大腸炎の手術適応としては難治例が最も多く,その他に重症例やステロイド離脱困難,癌合併,中毒性巨大結腸症などであった.術式は全症例において回腸肛門吻合術であった.人工肛門閉鎖術前の平均肛門管最大静止圧は55mmHg(28-116)であった.人工肛門再造設の適応は痔瘻または膣瘻が4例,吻合部狭窄が4例.人工肛門閉鎖術から人工肛門再造設術までの平均期間は7.6年(1ヶ月-23年)であった.【結論】大腸全摘・回腸肛門吻合術に人工肛門再造設を必要とした症例は2.6%と少数であったが,QOLが損なわれるため無視できない.術後20年以上経過後に人工肛門再造設を要することもあり,長期的な経過観察が必要と考えられた. |
索引用語 |