セッション情報 ポスター

大腸 IBD 4

タイトル P-065:

潰瘍性大腸炎(UC)患者の服薬コンプライアンスの検討

演者 辻 剛俊(市立秋田総合病院消化器・代謝内科)
共同演者 吉田 達哉(市立秋田総合病院消化器・代謝内科), 石井 元(市立秋田総合病院消化器・代謝内科), 大野 秀雄(市立秋田総合病院消化器・代謝内科), 山田 育弘(市立秋田総合病院消化器・代謝内科), 津田 聡子(市立秋田総合病院消化器・代謝内科), 中根 邦夫(市立秋田総合病院消化器・代謝内科), 小松 眞史(市立秋田総合病院消化器・代謝内科)
抄録 【目的】UC患者において5-アミノサリチル酸(5-ASA)経口投与の有効性は高いが,飲み忘れによる効果減弱も多く経験する.服薬コンプライアンスが治療効果に影響を及ぼすため今回,実態調査した.【方法】当科に通院しているUC患者に1年間の聞き取り調査を行った.内服の忘れ前提で「どの位(何錠)余ってますか?」と通院ごとに質問し解答をもらうことができたUC患者50名(年齢44±16歳,罹病期間7±5年)を対象とし,患者背景を含め検討した.【結果】飲み残しの認識として「しっかりしてます」と答えた群の服薬率は97%(32例),「ときどき忘れます」85%(12例),「良く忘れます」66%(4例),「全く飲みません」0%(2例)であり,全ての群間で有意差を認めた.服薬コンプライアンスの全体平均は87.6%であった.性別による服薬率は,男性87%(32例):女性90%(18例).病型別では,全大腸炎型86%(12例):左側結腸炎型91%(21例):直腸炎型86%(17例).内服回数では,分1(0例):分2 86%(12例):分3 88%(38例)であり,いずれも有意差を認めなかった.5ASA以外に内服薬がある群95%(平均54歳):ない群86%(42歳)であり,活動性による分類でも活動期94%:寛解期86%と,服薬率・年齢・活動性において高い傾向はあるものの統計学的な有意差はなかった.観察期間内に内服方法を変更した症例は10例あり.病状の悪化で変更した6例,飲み忘れ改善目的4例であった.ライフスタイルや病状にあった内服法に変更し,再燃群72.7%→100%,飲み忘れ群79.3%→91.5%と改善した.【結論】高齢・活動性・他剤内服がある群の服薬率は,高い傾向があるも有意差はなかった.病状の悪化があった症例や投与回数を患者のライフスタイルに合わせるで,服薬コンプライアンスは向上することが分かった.
索引用語