セッション情報 ポスター

大腸 IBD 4

タイトル P-066:

潰瘍性大腸炎に対する青黛の有効性と作用機序

演者 鈴木 英雄(筑波大学附属病院光学医療診療部)
共同演者 金子 剛(筑波大学消化器内科), 奈良坂 俊明(筑波大学附属病院光学医療診療部), 遠藤 慎治(筑波大学消化器内科), 松井 裕史(筑波大学消化器内科), 谷中 昭典(筑波大学消化器内科), 溝上 裕士(筑波大学附属病院光学医療診療部), 平山 暁(筑波技術大学保健科学部), 兵頭 一之介(筑波大学消化器内科)
抄録 【目的】潰瘍性大腸炎にはアミノサリチル酸製剤,ステロイド,アザチオプリンの他,近年ではタクロリムスやインフリキシマブなど治療法の選択肢が増えてはいるものの,治療に難渋する例も存在する.今回,我々は漢方薬の1種である青黛の経口投与が有効であった潰瘍性大腸炎症例を複数例経験したので報告するとともに,その作用機序に関する検討も行った.【方法】対象は既存の内科治療で改善の見られない潰瘍性大腸炎患者9名.内訳は男性7名,女性2名.年齢は16歳から75歳で,平均年齢は34歳.青黛を1日2g内服し,内服前,内服1か月後,2か月後,4ヶ月後の活動性評価(CAI)を測定した.また,一部の症例は投与前後でMatts gradeによる内視鏡所見の評価を行った.統計解析はt検定を用いた.さらに,青黛のラジカル消去能を調べる目的で電子スピン共鳴法(ESR法)によるOHラジカル測定を行った.【結果】CAI値は投与前8.3±2.4(mean±SD)から投与4ヶ月後2.4±3.4と有意差を持って改善した(p<0.001).内視鏡的Matts gradeは投与前3.4±0.5(mean±SD)から投与後2.2±0.8とこちらも有意に改善した(p=0.03).7人の患者がステロイドを使用していたが,このうち6人が離脱できた.投与中は軽度の頭痛が2名に見られたが,その他の有害事象は見られなかった.ESR法では青黛の高いOHラジカル消去作用が示された.【考察】最近,潰瘍性大腸炎の直腸炎に対する漢方薬,錫類散(Xileisan)の有効性を示すデータが示された.青黛は錫類散の有効成分の一つであり,今回の症例観察でも潰瘍性大腸炎患者に高い有効性が示された.本薬剤は潰瘍性大腸炎に対する新たな治療法の選択肢になることが示唆され,現在,症例数を蓄積するとともに,二重盲検法試験を計画している.
索引用語