セッション情報 | ポスター大腸 IBD 4 |
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タイトル | P-068:インフリキシマブが有効であった高安病を合併した炎症性腸疾患2自験例と文献的考察 |
演者 | 南 尚希(京都大学消化器内科) |
共同演者 | 山田 聡(京都大学消化器内科), 本澤 有介(京都大学消化器内科), 松村 佳代子(京都大学消化器内科), 吉野 琢哉(京都大学消化器内科), 松浦 稔(京都大学消化器内科), 仲瀬 裕志(京都大学消化器内科), 千葉 勉(京都大学消化器内科) |
抄録 | 【目的】高安病と炎症性腸疾患(以下,IBD)は共に進行性の慢性炎症性疾患であるが,その合併は稀である.近年,両疾患の病態においてTNF-αが重要な役割を果たしていることが示唆されている.今回,高安病とIBDを合併し,その治療にインフリキシマブ(IFX)が有効であった自験例を含め,文献的考察を行う.【方法】高安病とIBDを合併しIFXが有効であった自験例2例と現在までの報告例7例の合計9症例について検討した.【結果】全9症例中の性別は女性8例(89%),男性1例(11%).IBD疾患分類ではクローン病が7例(78%),潰瘍性大腸炎が1例(11%),indeterminate colitisが1例(11%)であった.合併診断確定時の平均年齢は,28歳(17歳~49歳).腹部症状以外の臨床症状として,高血圧(56%),前頸部痛(33%),間欠性跛行(22%),難聴(11%),失神(11%)が認められた.治療は全症例でプレドニゾロン(PSL)が使用されており,7症例(78%)でアザチオプリン,メルカプトプリン,メソトレキセートの免疫調節薬の併用が行われていた.全9症例中8症例(89%)でIFX投与後臨床症状の改善を認め,その後IFXの維持投与が行われた.残り1症例(11%)はIFXに対するアレルギー反応のため,アダリムマブ(ADA)に変更となった.変更後,臨床症状は改善しADAの維持投与が行われた.IFX維持投与8症例中4症例(50%)及びADA維持投与例においてPSLからの離脱が可能であった.IFXまたはADAの投与後全例でIBDの臨床的寛解が得られた.さらに9症例中8症例(89%)で高安病の臨床症状が改善した.【結論】高安病を合併したIBD症例は女性に多く認められた.また,クローン病との合併が多いことから,両疾患の病態にTNF-αが強く関与していることが示唆された. |
索引用語 |