セッション情報 | ポスター肝 PBC |
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タイトル | P-070:原発性胆汁性肝硬変(PBC)の診断時肝生検における予後予測 |
演者 | 角田 優子(金沢大学形態機能病理学) |
共同演者 | 原田 憲一(金沢大学形態機能病理学), 北村 星子(金沢大学付属病院病理部), 池田 博子(金沢大学付属病院病理部), 佐藤 保則(金沢大学形態機能病理学), 佐々木 素子(金沢大学形態機能病理学), 中沼 安二(金沢大学形態機能病理学) |
抄録 | 【目的】PBCの治療法としてウルソデオキシコール酸(UDCA)が一般的であるが,治療不応例も知られている.治療不応例での初回肝生検時の臨床病理学的特徴に関して,我々の提唱する組織学的新分類の各因子を用いて後ろ向き研究を行った.【方法】対象は臨床病理学的にPBCと診断された97例(男女比11:86,生検時年齢57.6±10.8歳)で,病理診断時に未治療であり,診断後UDCAを含む治療が行われた.組織学的に胆管消失,線維化,銅沈着の各因子の程度を0~3にスコア化し,その合計点で病期1~4期に分類した.さらに,腹水,高ビリルビン血症,胃食道静脈瘤の破裂/内視鏡的治療,肝性脳症,肝細胞癌,組織学的肝硬変が診断時すでに見られた進行群(n=10)と,経過中に上記所見および追加生検で病期進行が見られた治療不応群(n=16),2年以上の観察で上記および病期進行が見られなかった反応群(n=71)に分けて解析を行った.【結果】進行群,治療不応群,反応群の新分類病期の内訳はそれぞれ病期1/2/3/4=0/2/2/6,0/9/5/2,14/51/6/0例であり,治療反応群には線維化スコア0が21例見られたのに対し,進行群・治療不応群には見られなかった.さらに,進行群・治療不応群を陽性,反応群を陰性としてROC曲線を作成すると胆管消失,線維化,銅沈着スコアおよび線維化+銅沈着,胆管消失+線維化+銅沈着スコアのAUCは各々0.78,0.78,0.79,0.82,0.82であった.カットオフ値として銅沈着スコア2および線維化+銅沈着スコア4,胆管消失+線維化+銅沈着スコア5は感度57.7%,特異度98.6%であった.また,銅沈着スコア0~1かつ線維化スコア1以上の例では不応群は反応群に比して有意に生検時のALP,γ-GTPが高値であった(p<0.05).【結論】初回生検所見が治療反応性や予後に関連していることが考えられた.病理所見を基盤に,病態の進行リスクや追加治療の必要性などを予測できる可能性が考えられた. |
索引用語 |